「友達ではいられない。だって、あなたを愛してしまったから」
映画館の隣の席で、鯨の映画を観ながら泣いていた男。それが、久我と神無月伊織の出会いだった。博物館や化石が好きで、少し変わり者。穏やかな敬語を使うくせに、時折さらりと辛辣な言葉を返してくる伊織。そんな彼と過ごす時間が、久我にとって何より大切なものになっていく。
一緒に映画を観て、食事をして、くだらないことで笑い合う。ただの友達でいられたなら、きっと傷つかずに済んだ。けれど、いつしか友達という名前では収まりきらないほど、彼を愛してしまっていた。
「嫌いにならないでくださいね」
その言葉に隠されていた願いを、久我はまだ知らなかった。二人に残された時間は、あまりにも短い。それでも、愛さなければよかったとは思えない。
たとえ明日、あなたがいなくなるとしても。今愛することはやめられない。
映画館から始まった、小さくて、かけがえのない恋。愛する人を見送ること、そして残された者が生きていくことを描いた、切なく美しい純愛BL。
愛する人を見送ること、そして残された者が生きていくことを描いた、切なく美しい純愛BL。
余命×悲恋×死別。