「人文学は,諸学のでっち小僧という面をしながら密かにやってきた」──アリストテレスからパットナムまで飛び石伝いに人文学を語りおこし,生成AIの仕組みと弱さ,暴走の危うさ,人脳との断絶へと説き進む。NHK科学技術担当解説委員,慶應義塾大学環境情報学部教授,放送大学教授を歴任し,「哲学の劇場」の山本貴光と吉川浩満の師でもある赤木昭夫(1932– )が,ヴィーコとアガンベンを導き手に,AI時代の人文学を根本から立て直さんとする気宇壮大な試み。結びに置かれるのは想像力の擁護である。思考を機械にゆだねつつある時代を生きる,すべての人の必読書。
【目次】
序(山本貴光)
1 人文学の伏流を探る──ヴィーコとアガンベンと共に
2 ビル・ゲイツも憂えるAI時代
3 大化けした自動翻訳機──AIの仕組み早わかり
4 投資相談とプログラミング──AIの弱さ
5 AIの暴走──想定されるケースの分析
6 人脳とAIとの差異──AIの原理的限界
付録 ノート1 ヴィーコの人文学
ノート2 アガンベンの人文学の射程
ノート3 意識をめぐる理論
ノート4 知能とは何か──最近の定義
ノート5 知能とは何か──古典ギリシアから現代までの四段階
跋(吉川浩満)