こちらのアイテムは2026/11/8(日)開催・文学フリマ東京43にて入手できます。
くわしくは文学フリマ東京43公式Webサイトをご覧ください。

まだ、こんなことで泣いている

  • 南3-4ホール | け-52 (ノンフィクション|エッセイ・随筆・体験記)
  • まだ、こんなことでないている
  • もりみさき
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 320ページ
  • 1,400円
  • https://x.com/mimi_7930
  • 2026/11/8(日)発行
  • 概要

    27歳は、もっと大人だと思っていた。
    30歳を見据えて、仕事のプライベートもきっとしっかりした基盤があるはずだと、学生の頃は思っていた。いざその歳になってみると、2回も転職をして、いつも乗っているバスに乗れないだけで泣き、暑さに負けて何度も寝込み、勝手に自分の人生を本にして、叫びながらも必死に毎日を生きていた。
    2025年7月17日、27歳の誕生日から28歳の誕生日までの366日の日記を1冊の本にまとめました。

    日記の試し読み

    2025年10月25日(土)お日さまの匂い狂信者

    大量の洗濯物を回して、浴室乾燥にかける。雨が続くと浴室乾燥のありがたみを感じるが、浴室乾燥で乾かした洗濯物は芯が乾いていない感じがしてあまり好きではない。外干し信者なので、お日様の匂いが恋しい。お日様の匂いのことをダニの死骸とかいう大嘘を言い始めたやつのことを一生許していないが、改めて調べたらこの説は科学的にしっかり否定されているらしい。科学が正しく発展していてよかった。

    お昼ご飯を食べてから原稿を進める。進んで消して、前に書いた話を直して、また消して。進んではいるがかなりのろのろペースで焦る。焦るが、時間をかけて書かないと書きたいことが思い浮かばないのも事実で、短時間で書こうとすると一つのエピソードを思いついてもうまくまとめられない。書いて、他のエピソードも書いて、元の話を消して、統合させてやっと完成する。これでも明日見たらたぶん直したいところが出てくる。時間がほしい時に限って仕事が忙しくて、睡眠時間が削られていく。

    2025年12月2日(火)1万日も生きたらしい

    定時がいつの間にか過ぎていて、まだまだ記事を見ていたら、急に鼻から血が垂れてきた。考えすぎると本当に鼻血って出るんだと感心している場合ではなくトイレに駆け込む。トイレットペーパーを鼻に詰めて斜め上を向く。鼻血が止まって、席に戻りながらスマホを見ると、駿平さんから「ケーキを買ったよ」と連絡が来ていた。そういえば今日は生まれてから1万日記念の日だった。記念すべき日も変わらず記事を編集する。この文はいらない、この言葉はわかりにくい、と文字を消して、1万字を超えていたのが8000字になる。いらないところはどんどん削る。わたしの人生の無駄を削ったら、残るのは3000字くらいかもしれない。

    最近自分の人生を振り返って、2万字の文章にして、本を作った。1万日生きて、2万字の文字になって、92ページの本になった。2倍の言葉を尽くしても、人生の1割も語れやしない。人生をすべて語るには生きた日数の何倍の言葉が必要なんだろう。日々文章ばかり読んで書いているけど、わたしはこれまで何文字の言葉と生きてきたんだろう。買ってくれたチョコレートケーキはずしんと重かった。


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