上っても、下っても、何かがおかしい。
海辺の崖下で揺れる腕。部屋の天井から滴る泥。宇宙エレベーターに乗り合わせた男。井戸の底から引き上げられる、失くしたはずのもの。
短編集『昇降不全』は、上昇・墜落・滴下・引き上げなどの「上下移動」を共通モチーフとした、全9編・112ページのホラー短編集です。
身近な風景が少しずつ狂っていく怪談から、SF的な奇想、家族や友人への愛憎を描く心理ホラーまで。単純な恐怖やおぞましさのみならず、曖昧さや決定不能性、どんでん返しなどの仕掛けをふんだんに盛り込んだ、奇妙な物語を集めました。
不条理な話、怪奇・幻想文学、ひねりの効いた短編小説が好きな方に。