お陰様で、空華二四号も無事発刊できました。
巻頭は、第一一回空華文学賞の選考経過と受賞作が、掲載されております。6作品が一次選考を通過し、最終選考には史上最多の4作品が残りました。選考の結果、今回も歴史小説が受賞となりました。豊田旅雉さんの「紅の眉」です。とても興味深い小説ですので、ぜひ御覧になってみてください。
次に、短歌コーナーの「ひさかたの」。今回のメンバーは、大坪命樹、藍崎万里子、ネコノカナエに加え、同人外から亜佐里さんを迎えました。それぞれの独特の短歌と個性的な評が楽しめる、短歌ファンにはぜひ読んで戴きたいコーナーです。
同人作品のトップバッターは、海凪悠晴の「形見の痣」です。交通事故で夫を失ったアヤカが、忘れ形見のナツミとともに、傷心の人生を歩む話です。なかなかの良作です。
次は、藍崎万里子の「ソリチュード」。毒親に動物のように育てられ、学校でも虐めに遭い、辛い少女期を過ごした主人公の半生の物語です。意外な結末は、読者に人生の意味を問いかけます。
三番目は、内角秀人の「暴君」です。若いときには優しかったのに、認知症を患い暴君になった父親を、私小説的な語りで描いた力作です。みずからの老後について、考えさせられます。
四番目は、大坪命樹の「神懸かった痙攣」。これは大坪の文学論です。大学で、卒論と修論を書きましたが、随分下手な論文になっております。珍奇な論をお楽しみ下さい。
五番目は、深井了の「古い詩人達をまねて」。詩のような意味深で簡素な言葉並びは、読む文字数に対して思惟させる割合が大きいです。読者のみなさまも、老宿の頭脳に迫ってみてください。
「そらばなし書評」では、大坪が「たゆたえども沈ます」原田マハ著、藍崎が「星の王子さま」サン=テグジュペリ著をそれぞれ評しました。
以上、空華第二四号の御紹介でした。