こちらのアイテムは2026/11/8(日)開催・文学フリマ東京43にて入手できます。
くわしくは文学フリマ東京43公式Webサイトをご覧ください。

ゴリフル(GORILLA FULLNESS)

  • 南3-4ホール | な-62 (ノンフィクション|エッセイ・随筆・体験記)
  • ごりふる
  • TOMOKO
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 104ページ
  • 1,000円
  • https://tomokoswonderland.com…
  • 2026/10/23(金)発行
  • ことばは、弱い者に、弱いまま生きる力を与えてくれる。

    「書いて、何になる?」
    その残酷な問いに立ちすくみながら、それでもことばを手放せなかったひとりの書き手が、ゴリラの森で打ちのめされ、ことばの森へと舞い戻ってきた記録。


    ◆ 本文より(第一章「書けない!」より抜粋)

    二〇二五年十一月十九日。返還間近のパンダを一目見ようと人がごった返す上野動物園で、わたしの運命は変わってしまった。

    ゴリラの森。
    全身からあふれるいのちの躍動感。太古からの身体の記憶を踏みしめるようなナックルウォーク。シルバーバックのハオコだけに許された艶やかで美しい銀色の毛並み。
    いのちの神々しさ。むき出しの生の迫力。ひたすら無言のまま、ただ彼らの姿を追うだけの時が流れていった。

    あろうことか、わたしはゴリラの絵まで描きはじめた。絵を描き始めた理由は、ハオコを見て胸を貫いた衝撃が、とてもじゃないがことばでは表わせないと思ったからだ。ずっとことばを生業にしていきてきたのに。

     手も足も出ない。ことばの限界を容赦なく突きつけられた。けれども、ことばを裏切って絵に逃げ込んだ人間に、絵の世界も容赦はしなかった。

    一本線を引くたびに、わたしが見ていたのはゴリラではなく、頭の中で勝手に作り上げたイメージでしかなかったことに気づく。すべてに疑いの目を向けた瞬間、これまで紡いできたことばが、どれも嘘やまぼろしのように思えてくる。

    そうしてわたしは、ゴリラを描くどころか、文章を書くこともできなくなってしまったのだ。


    ◆ 本書について

    ことばは、弱い者に、弱いまま生きる力を与えてくれている。

    本書は、ことばを持たないゴリラと対峙し、書くことで、そして書けなくなることで、生きることへの驚きとまなざしをつなぎとめた、全五章のエッセイ(画文集)です。

    ◆ 目次

    第一章 ゴリラの森へ
    書けない!/傷だらけのことば/時のすみか/眠れる森のゴリラ/ぼくのじかん、みんなのじかん

    第二章 時(とき)と時間
    青年よ、ヒマを抱け。/狂気の回し車/盗まれる時間をもたない少女/優秀な機械にはなれなくて/「あとで」のない世界/シルバーバックのいない世界

    第三章 嘘
    嘘つきはことばのはじまり/いっしょ!いっしょ!/めっちゃウマイらしいで!知らんけど。/わたしを海に連れてって?!/わからないから、書く。

    第四章 感覚することば
    わたしはさいきょう/声なしの母/詩なんてなくても、生きていけるけど/理由なんて、ない/これはゴロウですか!?/母になる

    第五章 不死
    不死は希望か、呪いか/穴のむこうから、こんにちは/ないのに、ある/時を超えることば


    ◆ 著者より

    わたしは、何かに成功したから書く人ではありません。
    失敗だらけで、傷だらけだから、書くことができています。
    この本を書くことができたのも、ことばを寄せつけないほどの神々しさをまとった、
    ゴリラのハオコを前に、ただ息をのんで立ちすくむしかなかったからです。

    わたしのつまずきから生まれたことばが、誰かに届くことがあったら、とても嬉しいです。
    ぜひ、ブースでお手にとって、ページをめくってみてください。


    ◆ 書誌情報

    • 書名:『ゴリフル』GORILLA FULLNESS
    • 著者:TOMOKO
    • 発行所:ろっぺん書房
    • 仕様:文庫/104ページ
    • 会場頒布価格:1000円

ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になる出店者を記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。