血を走るポンプ前にて正常に生活捌く信号は知る
東京で一人暮らしをして三年目になりました。
ここで過ごす時間はめまぐるしく、濁流に呑まれるようです。
そんな人生に疲れて訪れた香川のウラツダという場所では、真逆の「静」でしたが、そこでは外来種という感覚に陥っていました。
では、普段住む東京では。
そう考えたとき、「被食者」という感覚に陥りました。
本作では、その切り口で東京を解体しました。
東京に捕食される生活。
いつからこんなに諦めがうまくなったのか、覚えていません。
――――― あとがきに代えて より
▮作品形態紹介
香川での記憶を梱包した前作「ウラツダ的三十一音」の
短歌 x エッセイ x 写真 x デザインというフォーマットの、
東京リミックスの立ち位置としている
新刊です。
本作は形態にこだわりぬいた作品で、
- リングカード製本
- 全ページ異種紙(一部クリア素材)
- 写真ページはチェキ・ステッカー・トレーシングペーパー・写真屋現像の異種素材
と、手に取って素材の違いを楽しめる、おもちゃのような新感覚のZINEになっています。
作品は4部構成となっており、東京でフィールドワークをして採取した写真、そこからインスピレーションを受けた短歌、それを拡張するエッセイ、で一部となる構成となっています。
ハル秋の持ち味である「作品の世界観に魅了され、取り残される感覚」が、触覚によって増強された作品です。
ぜひ触れてみてください。
▮作品世界観紹介
東京を持ち上げることも下げることもなく、ただハル秋の感性でニヒルに観測しました。
大手短歌SNSの短歌賞で入賞する確かな実力を基に、3種の表現で東京を解体しています。
前作が「香川xデジタルx外来種」の体温より低い、心地いい温度の作品なら、本作は「
東京xアナログx被食者」という、
金属のような温度の作品です。
異種紙・素材の触覚から得られる冷たい感性は、唯一無二の感覚であるはずです。
東京文学フリマで頒布することに意味のある作品です。ぜひ東京ビッグサイトで、お手に取ってください。