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新刊です!
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見て、聞いて、味わって、嗅いで、触れる、中世ヨーロッパの暮らし。
中世ヨーロッパの暮らしを、「五感」という切り口から紹介する本です。布の手触り、家畜の鳴き声、パンや肉の味、煙の匂い、いつもと違う祝祭の日の景色などを、旅するようにたどります。
一つの話は、約1200字で完結します。歴史に詳しくなくても、好きなところから気軽に楽しめる本を目指しました。全54項を収録。1項あたり1枚の図版を収録しているので、視覚情報もたっぷりです。
詳しい本の内容は、下記の目次をご覧ください。
本書のテーマや執筆にあたっての考えについては、後半に掲載の「はじめに」をお読みください。
※当初フルカラーを予定していましたが、本文はモノクロ印刷に変更となりました。
(表紙絵と各章の扉絵は作者画です)
目次
1. 身の回りの手触り
女性による糸つむぎ
- いつでもどこでも糸をつむぐ
- 手仕事をしながらお喋りする
- 居酒屋で旅人に出会う
- 織物を長櫃にしまう
毛織物のチュニック
- 麻と羊毛をまとう
- 動きやすいズボンをはく
- 髪を丁寧に編む
- ベルトを締めて、ひだの美しさを出す
- 髪をヴェールで覆う
- 腰から下げた小袋に貴重品を入れる
ベッドで過ごす夜
- 一つのベッドを複数人で使う
- 服を脱いでベッドに入る
- 同衾者とお喋りを楽しむ
- 夜中に一度目覚める
2. 鐘の音と過ごす一日
故郷の鐘
- 鐘の音に「故郷」を感じる
- 鐘の音とともに一日を過ごす
- 鐘の音から「ニュース」を得る
- 嵐よけに鐘を鳴らす
- 道に迷ったときに耳をすませる
家畜の鳴き声と鈴の音
- 雄鶏の鳴き声が朝を告げる
- 羊飼いを送りだす
- 牛や馬と協力して、畑仕事をする
- 豚を放牧して肥えさせる
- ロバを相棒に旅にでる
3. パンとワインのある食卓
パンに形づくられた暮らし
- 年がら年中、麦を育てる
- 共同水車で麦をひく
- 共同竈でパンを焼く
貴族のワインと庶民のビール
- お気に入りのワインを飲む
- 庭を葡萄畑で飾る
- 栄養満点な、濁ったビールを飲む
ごちそうに欠かせない肉
- 日々のおかずに肉を食べる
- 宴会の目玉に、鳥のローストを食べる
- 肉の代わりに豆のスープを食べる
- エキゾチックな香辛料で味つけする
4. 炊煙の昇る人里
こびりついた煙の匂い
- 煙をたどって人里を見つける
- かがり火を囲んで団らんする
- 煤だらけの壁を掃除する
街路にただよう悪臭
- 迷路のような都市に入る
- 汚物を避けながら歩く
- 皮なめしや染色工房の脇を通る
入浴の楽しみ
- 公衆浴場に通う
- 湯につかりながら、同僚とお喋りする
- 温泉を目当てに遠出する
5. 光と色をまとう祝祭
聖堂に差す光
- 闇から光へ向かう
- 聖堂で「芸術」を目にする
- 色ガラスの光に包まれる
装いを彩る赤と青
- 金糸銀糸で光をまとう
- 対照色を重ねて着る
- 紋章が描かれた盾を持ち歩く
- 高貴な赤をまとう
- 鮮やかな青をまとう
村と町が変わるハレの日
- 五月祭を緑で飾る
- 夏至祭の火のまわりで踊る
- 祝祭を見に都市へでかける
本文「はじめに」より
この本を手にしてくださった方のなかには、歴史に対し苦手意識のある人もいるかもしれません。というのも、学校で習う歴史は政治の動きが中心になりやすく、寝たり起きたり食べたりといった、私たちに身近な暮らしはあまり見えてこないからです。
しかしこの本では、そうした日常に関わる「生活文化」を取り上げます。生活文化とは、例えば、服をつくるための糸つむぎや、糧を得るための畑仕事などです。その動作主は多くの場合、私たちに身近な庶民です。彼らの暮らしをのぞいてみると、現代を生きる私たちと、そう変わらない日々を送っていたことが分かります。
この本のコンセプトは、題名にある通り、中世を「旅する」ように眺めることです。具体的には「五感」を切り口に、天然素材に触れる感覚、遠くから聞こえる鐘の音、食卓に並ぶ肉の味、かがり火の匂い、祝祭の日の風景などをたどります。一つの話は項ごとに完結しているので、どこから読んでも楽しめます。
旅行の醍醐味の一つは、今まで知らなかった、その土地の文化に触れられることです。それと同様に、この本を通じて、今まで知らなかった、中世という時代のヨーロッパ文化に触れてみませんか。中世ヨーロッパに少し詳しい私が旅行ガイドを務めるので、専門知識はなくて大丈夫です。この本だけを持って、旅にでかけましょう。