風が吹くたび、
何かが静かに離れていく。
公園のベンチ、夕暮れの河川敷、窓辺の机。
迷いの途中で立ち止まる時間、言葉にしきれない感情、
過ぎていく季節に、ふと取り残されるような瞬間。
やがて季節が変わる頃、
それが確かにここにあったと、
遅れて返ってくる響きがあるかもしれない。
——これは、秋の余韻のなかで生まれた、短い物語集。
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