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スティール・ライフ Recognized

  • 南3-4ホール | く-81〜82 (小説|SF)
  • すてぃーるらいふれこ
  • 久納一湖
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 276ページ
  • 1,000円
  • https://team-hattari.jimdosit…
  • 2026/10/15(木)発行

  • シリーズ5作目。最終巻。長編。
    近未来SF+アクション+キャラクター群像劇

    エリア最大都市のメトロシティでは人間と人型機械が共存し、伊野 田は違法に製造された機械と戦う仕事をしていた。 苦労して戦いから身を引き、田舎で休暇を過ごしていた伊野田だった が、相棒からのSOSを受けアンドロイドの拠点である〝狭間〟へ救出 に向かうことを決める。
    そして戦いの末、機械と人の境界線を生きてきた伊野田が手にした 〝人間らしさ〟とは。

    SFシリーズラストタイトル。堂々完結。

    #バディアクション #利害の一致 

    シリーズだけど、どこから読んでも大丈夫🙆気になるところから読んで、関係性の変化を楽しむのも⭕️

    【ここがポイント】

    ①キャラクター同士の軽快なやりとり
    登場人物は20代~30代がメイン。友達、仲間、相棒、恋人、義理の親、いろいろな立場のキャラたちによる様々な関係性を、軽快な会話やシーンで楽しめます。関係性オタクな作者による、関係性オタクのための作品ともいえます。

    ②見どころのあるアクション
    キックボクシングに通ったりアクション体験を受け、研究を重ねて作ったアクションシーンは「見ごたえがある」「泥臭くてかっこいい」と評判いただいてます。ぜひ手に汗握るアクションシーンを楽しんでほしい。

    ③キャラクターたちの成長
    今作だけでも楽しめますが、シリーズを通して変わっていく主人公たちの姿に、グッとくること間違いなし!


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    作:久納一湖、イラスト:ハルサカ様
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    【冒頭抜粋】
     
      銃口を向けられている状況に、安堵するとは思ってもみなかった。    本来ならば体が竦みそうなものであるが、何よりも人間の姿を待ちわびていた伊野田にとっては、願ってもいない展開だった。自分の推測をほぼ裏付ける証が、目の前にあるのだから。しかし、展開は良くとも状況が良くない。

     銃を構えた相手は、緊張のせいかわずかに震えており、どこか怯えているようにも見えた。額が汗で濡れている。こんな些細な反応を、機械が再現できるわけがない。機械が銃を使うのも不自然だ。
     なにより機械は、まばたきをしない。人型の機械であるオートマタと、それを利用する人間との間に差分を付けるために設定されているのが、瞼の開閉運動だ。目の前の人間らしき物体は、ひっきりなしに瞬きをしている。それが伊野田の判断を決定づけた。相手は明らかに人間だ。顔の下半分はマスクで隠れていたが、目元を見るに、まだ若い。体格からして男だ。

     つまり、ここにいるのは人間で、林の向こうにあるロッジを襲ったのも人間。ギャングの抗争か仲間割れか、理由はどうだっていい。これは人間同士の争いで起きた事件で、機械など、オートマタやアンドロイドなんてものは、関与していないのだ。伊野田はそう結論づけることに決めた。

     機械の仕業でないのなら、この件はすぐに終了だ。後始末は地元の保安官にまかせて、早く田舎を満喫しに行こう。西側の麓に移動すれば山菜が採れるらしい。地面に生えているものを摘んで食べるなど信じられないが、何事も体験だ。

     それにこの先の川では、魚釣りができる。魚は港町でしか取れないと思っていた自分にとって、こちらも絶対に経験してみたいことだ。釣った魚を串刺しにして塩をまぶして焼き、腹から齧りつくのだという。シーフードレストランで似たようなメニューを食べたことはあるが、自然に囲まれた中では、また別格の味わいがあると言う。楽しみで仕方がない。

     しかし、その願望を切り裂くように、男が声を荒げる。 「何笑ってんだ」  伊野田は男を見上げ、すっと笑みを引かせた。願望を現実にするためには、目の前の男と、この状況を切り抜けなければならない。

     欲しかったのは人間に遭遇する、という状況証拠で、拳銃は余計なのだ。伊野田はなるべく冷静に状況を把握することに努めた。
     

    ☆
                                               

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