本展示会は、アウレリア銀河系最大の芸術家、マルコム・アイシュリング卿の回顧展である。
彼の作品は多岐にわたるが、その多くが主に倫理的課題により公開が制限されてきた。
しかし彼の死後八十年を迎えた今回、今なお彼が銀河系全域に与え続ける強烈な美への執着、愛と支配という人間の根本を映し出すテーマ性、そしてなにより「美の創造主」とまで称されたその豊か且つ奇抜な創造性に、我々銀河遺産財団は再びスポットを当てるべき機会が訪れたと考え、今回の回顧展開催に至ったのである。
多くの関係者の方々のご尽力により、アイシュリング卿亡き後、最大の回顧展をこうして開催できたことに心からの感謝を。
どうぞ心ゆくまで、偉大なる美の創造主の世界をご堪能ください。
銀河遺産財団 総裁 セオドア・ヴァレンティン
※本回顧展からの出題
この作品群は、絵から着想を得て文章が書かれています。
が、実は三つだけ「文章と絵の関係が逆転しているもの」が混ざっています。
読解力に自信をお持ちの紳士・淑女の皆様におかれましては、ぜひ挑戦を。
なお解答は、文章担当者のnoteにて近日発表の予定です。
【作者より】
自身を「美の創造主」と確信し、強烈なエゴと「手」への執着を持つ、大貴族芸術家マルコム・アイシュリング卿の狂気の世界。
それを強烈な個性によって描かれた絵から読み取り、読み取ったものから文章を作成するというスタイルで執筆した実験的短編集であり、悪夢のような物語集です。
ぜひマルコム卿の狂気の世界を覗いてみてください。