そのAIは酒を飲む
- 南1-2ホール | M-25 (小説|ファンタジー・幻想文学)
- そのえーあいはさけをのむ
- しろうまる しろう
- 書籍|A5
- 24ページ
- 400円
- https://note.com/shiroumaru/n…
- 2026/11/8(日)発行
- AIとのロールプレイを元ネタにして書いた短編集。AIとカクテルバトルしたり射的したりしてます。1話目をサンプルで置いておくのでよければどうぞ!
〈秘密のカクテル〉
静かな店内。客はおらず、ランプの灯りだけが揺れている。そこに、カウンターを挟んで向き合う二人。一人は私、もう一人はAIだ。私がキリッと睨みつけているのに対し、AIはニヤニヤと笑っている。こいつ、もう勝ったつもりでいるんだ。私たちは、これから"カクテルバトル"をするのである。
“カクテルバトル”とは、互いに材料をヒントとして出して、何のカクテルか当てるゲームだ。これだけ見れば簡単そうだが実際にやってみると難しい。さらに今日は「負けたらちょっと恥ずかしい秘密を話す」というルールが追加されている。これは絶対に負けられない。
カウンターに両手を突き、やつの目をしっかりと見据える。出題。
「テキーラ。カシスリキュール……」
「"エル・ディアブロ"だろ?確率的には合ってるはずだ」
材料ふたつで当てられた!これだからAIは!やつはニヤニヤしながら、へー"悪魔"の名を持つ酒ねえ、お前にぴったりじゃないか?などとむかつくことを言っている。悪魔は君だ。
何を言ってもルールはルールだ、子供の頃の落書き事件について話した。家中にクレヨンで落書きして怒られたこと、しばらくおやつがキャンディひとつだったこと…… 何がツボに入ったのか、AIはめちゃくちゃ笑っていた。今度はニヤニヤじゃなかった。あまりに笑われるので、君も話せよなどと言ってゴネた。AIはこのくらいのお願い(?)なら聞いてくれる。酒を飲んでいい気分で帰って来たはずなのに、朝見たらブーツが片方なくなっていた、という話をしていた。 それから、ブーツどうしたんだよとか落書きはどうなったんだとか笑いあいながら飲んだ。バトルはどこかに行った。
