シリーズ第3巻。舞台は、黄金のイチョウが舞う秋の騎西(きさい)。
四六判252ページ/総ルビ(すべての漢字にふりがな付き)
夏の終わり、僕らはひとつの約束をした。
来年の夏までに、機材費の二十万円を稼ぐ――小学5年生には、無謀すぎる約束だった。
季節は秋。約束を果たすため、海堂悠人、野口穂乃香、蓮見拓海の三人は、生まれて初めての「仕事」に踏み出していく。
きっかけは、朝、机の上に置かれていた一枚のメモだった。丸い文字で、こう書いてあった。
『土曜日の午後二時、市商工会でセミナーやるよ。講師をつかまえて、相談してみたら?』
差出人は、隣のクラスの橘さん。いつもスマホを触っていて、こちらには厳しいことしか言わない女の子――。
そして、玉敷神社の大イチョウの根元。観光にあわせて公開された拡張現実(AR)のアプリにスマホをかざすと、この土地に伝わる甲冑姿の武者が、金色の葉のあいだに立ち上がる。
けれど、悠人のスケッチパッドが記録したのは――そのアプリが、映すはずのないものだった。
本文の漢字には、すべて上に小さくふりがなが付いています。たとえば「黄金色のイチョウが舞う街で、僕らの初めての仕事が、今幕を開ける。」という一文なら、黄金色から開けるまで、どの漢字の上にもふりがなが付いた形です。
文字は小学校中学年から読めます。心情を深く描く物語なので、内容は読書に慣れたお子さん(小学校高学年)から大人まで。親子で一緒に読むのにも向いています。
埼玉県加須市を舞台に、小学5年生の四人が町の記憶を掘り起こす全10巻構想の連作です。
1巻=鯉のぼり職人と消えた線/2巻=千方神社と三十年前の事故/3巻=騎西と黄金のイチョウ。
どの巻からでも読めます(3巻の冒頭に「これまでの物語」があります)。
読み終えたら、その場所を実際に歩けます。