『怪盗紳士ルパン』の出版から三百年後の未来。泥棒の主戦場は仮想空間へ移行し、怪盗という古めかしい言葉を知るのは、読書というこれまた古風な趣味を持つ一部の人々に限られる。読書家でピアノが趣味のナヅミは音を盗むという怪盗〈音泥棒〉の噂を聞き、想像を膨らませる。音泥棒は一体何を盗むのか。音楽家のデータか記憶か、はたまた命か。ナヅミの音を盗みにやって来るとはつゆも知らずに――(「音泥棒」)。ほか、血縁のない兄に憧れを抱き、兄が勤める大学院へ進学する妹の末路「大学的微冒険」も収録。
illust のぎ(@nogi_yuni)