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【1巻】今は硝子の蓋を閉めて

  • 南1-2ホール | H-98 (小説|恋愛)
  • いまはがらすのふたをしめて
  • 倫子
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 184ページ
  • 1,000円
  • https://www.pixiv.net/novel/s…
  • 2026/2/1(日)発行
  • ※年齢制限あります※

    「私が求めているのは金銭だけで、やりがいではありません」 ――堅実な事務屋の女性職員が、ある日「神様」の主になったなら。

    ■ あらすじ

    時の政府・審神者省(さにわしょう)横浜支局に勤務する事務職員、東雲(しののめ)たまき。 新卒から平穏に、かつ淡々と事務作業をこなしてきた彼女の日常は、ある日、上司からの突拍子もない打診によって一変する。

    「東雲さん、審神者やってみない?」

    仕事に求めるのは安定した給与と休日。やりがいや英雄願望など微塵も持ち合わせていないたまきだったが、組織の事情と、ある「一振りの刀」との出会いから、歴史を守る最前線へと身を投じることになる。

    彼女が赴任した本丸にいたのは、豪放磊落でありながら、どこか寂しげな瞳をした大太刀・次郎太刀(じろうたち)。 神としての矜持と、刀剣男士(とうけんだんし)としての宿命。そして、組織の歯車として生きてきた人間の理屈。 相容れないはずの両者は、戦いと対話、そして「酒」を介して、少しずつその距離を縮めていく。

    これは平穏な世界にいた一人の女性が、戦火と愛憎の渦巻く世界へと踏み出し、自分だけの「居場所」を見つけるまでの物語。心に硝子の蓋をして生きてきた。だがその蓋は、ついに破られる――。

    ■ 本作の見どころ

    1. 徹底してリアルな「組織人」の視点 本作の主人公・たまきは、決して選ばれし勇者ではありません。「金銭のために働く」と言い切る彼女のシビアな職業観は、現代社会を生きる読者の共感を呼びます。そんな彼女が、非日常である「審神者」という職務に対し、どのように折り合いをつけ、適応していくのか。そのプロセスが非常に論理的かつ丁寧に描かれています。

    2. 「神様」という異質な存在との対比 人間とは異なる時間軸を生き、戦うために存在する刀剣男士。彼らの圧倒的な強さと、その裏側に潜む危うさが、たまきの冷静な視点を通して浮き彫りになります。特に次郎太刀との交流は、単なる主従関係を超え、互いの孤独を埋め合うような、深く静かな熱を帯びていきます。

    3. 横浜・審神者省という独自の世界観 物語の舞台となる「時の政府 横浜支局」の描写には、実在の公務組織のようなリアリティがあります。報告書の締め切りに追われ、上司の顔色を伺い、同僚と軽口を叩く。そんな「生活感のある魔法的世界」の造形が、物語に深い没入感を与えています。

    ■ 著者・倫子より

    本作は、私が執筆しているシリーズの「エピソード・ゼロ」にあたる物語です。 何者でもなかった一人の女性が、どのようにして刀剣たちと信頼を築き、戦場に立つ覚悟を決めたのか。派手な戦闘シーンの裏側にある、人と刀の「心の揺らぎ」を大切に書き上げました。

    184ページ、10万8千文字のボリュームで贈る、大人のための和風ファンタジー小説です。 秋の夜長、じっくりと物語に浸りたい方にぜひ手に取っていただきたい一冊です。

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