「あなたが愛しているのが僕じゃなくても、そばにいられるなら、それでよかった」
自らの性癖によって恋人を失った過去を持つ東條大和。
そんな彼を、ずっと以前から想い続けてきた三淵葵。
ようやく恋人同士になれた二人だったが、ある日、東條は大切な記憶を失ってしまう。
愛する男の瞳に映るのは、自分ではなく、すでにこの世を去った恋人の面影。
「思い出してほしくない」
葵が願ったのは、失われた記憶が戻らないことだった。
たとえ別の名前で呼ばれても。
たとえ自分ではない誰かへの愛を囁かれても。
彼のそばにいられるのなら、自分自身を捨てることさえ厭わなかった。
けれど、愛されるほどに苦しくなる。
欲しかったはずの温もりが、少しずつ葵の心を追い詰めていく。
愛する人の代わりになれたとしても、愛する人自身にはなれない。
失われた記憶が戻るとき、二人を縛り続けた愛の鎖はほどけるのか。
記憶喪失×執着×身代わりの恋。
特殊性癖を持つ男と、一途に愛を求める青年の、痛みと欲望が絡み合う濃密なSMラブストーリー。
R18