唇に磁石
- 南3-4ホール | さ-90 (詩歌|現代詩・散文詩)
- くちびるにじしゃく
- 渡辺八畳
- 書籍|A5
- 120ページ
- 2,000円
- 2025/10/3(金)発行
- 何十年もの間、その豆電球は灯され続けてきた。 ソケットは何度もくすんで、そのたびに磨かれた。 ふり返ると、遠くには山々の幻がある。
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渡辺八畳、詩業10年目にして初めて出版社より詩集を出します。
「現代詩手帖」「ユリイカ」「朝日新聞」などへの掲載作から、 詩を書き始めて半年目ほどの初期作品、 さらには未発表の完全新作まで、 全27篇を収録しています。
解説文(栞)は同郷の大先輩詩人である和合亮一さん、 カバーイラストはピクセルアートで有名な豊井祐太さんにお願いしました。
本文の隅からカバーの裏までお楽しみください。解説「詩行に吾妻の噴煙があがり」和合亮一 より一部抜粋
なぜ詩を書くのか、詩は書かれるのか。
新しい詩集を読み通しながら、あらためて根源的な問いが浮かぶ。
渡辺と私は年齢に二〇年ほどの差はあるが、同じ福島の空と街で暮らした、言わば同郷の詩人である。お互いに車で一〇分ほども離れていない場所であり、生まれ育った環境の近しい二人は、ほぼ同一の環境と風景のなかで詩を書き始めたと言って良い。あらためて作品の束として一気に読ませられると、問いかけはそのまま渡辺にも私にも跳ね返ってくる。
(中略)
肌感覚の生々しさが感じられるのはなぜなのだろうか。なるほど、山々に囲まれたこれらの世界はイマージュを発する心の内なる混沌そのものなのだ。それはいつも彼の詩を書く精神の真ん中にあり、今もなお噴煙をあげている。そこを彼は筆を握りながら、行ったり来たりしている。
(中略)
渡辺は「そのものへと、成って」いくことを、言葉で彫刻するかのように、独特の大胆さと繊細さで、彫刻の刀ならぬ筆を鋭く振るっている。
書籍情報
著者 渡辺八畳
装丁・組版 渡辺八畳装画 豊井祐太
解説(栞) 和合亮一発行所 七月堂
A5 帯付
120ページ
2000円+税発行 2025年10月3日
ISBN 978-4-87944-616-9
