夜は朝を待つ
- 南1-2ホール | O-65 (小説|ファンタジー・幻想文学)
- よるはあさをまつ
- 時雨縹
- 書籍|文庫判(A6)
- 280ページ
- 1,500円
- 2024/12/1(日)発行
記憶喪失のバケモノ
×
生贄の少女
因習村×ファンタジー
きみが幸せでいてくれるなら、他になにもいらなかったのだ。
バケモノと呼ばれる男は、村の端々に広がる神木の世話をする仕事をしていた。
その仕事が誰に頼まれたのかも、何のために世話をしているのかも、男は知らない。男が覚えていることいえば、自分の名前と、神木の世話という仕事、誰かを守りたくてバケモノになったということだけだった。
そんな男の元に、ある夏の夜、一人の少女が現れる。朝日を思わせるような金色の髪を靡かせる少女は、男に向かって笑いながら言ったのだった。
——わたしを、食べてくれない?
十二年に一度行われる儀式。龍神と巫女。そして、捧げられる生贄。 男の記憶が戻るにつれ、明かされるのは村の仄暗い真実だった。
——あなたがいる世界だけが、綺麗だったんだ。
これは、大事な人に綺麗な世界で生きていてほしいと願った、純粋な祈りの物語。
