魂の研究
- 南1-2ホール | M-94 (評論・研究|現代思想・哲学)
- たましいのけんきゅう
- 井上 こん
- 書籍|B6
- 197ページ
- 1,000円
- 2024/5/28(火)発行
- 本書は前著『心の研究』では、あまり触れられなかった魂を主題的に扱っている。直感という認識の在り方を考察することで、魂の内実を詳らかにしていき、そこから記憶や意味の在り方なども考え直していく。
著者は『心の研究』を著した後、井筒俊彦やカバラ、スーフィズム、などの思想を知り、神秘主義哲学と『心の研究』の「表」の章で考えた世界観が、同様のものであることを知った。それから神秘主義思想の知識を得ていくことで、『心の研究』からさらに思想は展開され、深化していった。本書では、随所に象徴的に世界を捉えた表現がある。
また、前著では最後にあった宇宙についても、思索を進め、私たちの心身と宇宙の関係についても考えている。宇宙もまた一つの象徴である。また、情動が世界のアルケーであることも、一層示されたように思う。
あらゆるものが重々無尽に関係し合う世界、それは阿頼耶識が可能にしている。阿頼耶識では、あらゆる魂が呼応し合い、重奏的に世界の意味を響かせる。言うなれば、アニミズムの発展形として、本書を考えることが出来る。私たちは呼応する世界で、何に惹かれ、何を起こすのだろうか。そこには新たな、そして果てしない問いと応答への、創造的な道が拓かれている。
