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文学フリマ東京42出店者
ヤドリギ(ブース: S-35〜36)
ヤドリギ第4-1号「郵便」
こちらのアイテムは2026/5/4(月)開催・
文学フリマ東京42
にて入手できます。
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ヤドリギ第4-1号「郵便」
南1-2ホール | S-35〜36 (評論・研究|現代思想・哲学)
やどりぎだい4-1ごうかっこゆうびん
ヤドリギ
書籍|A5
226ページ
1,000円
2026/5/4(月)発行
この度、『ヤドリギ』第4-1号を刊行します。
第4号では、「郵便」という主題を掲げ、さまざまな角度から考えていこうとしてきました。郵便とは、誰かに宛てて何かを送る行為であると同時に、それが届かないかもしれないという不確実さを抱えたまま投函する行為でもあります。断絶の可能性を含みながら、それでもなお誰かに向けて言葉を書くこと。その矛盾と、その可能性をあらためて考えてみたいと思っていました。
また、郵便は、現代のコミュニケーションに比べればひどく遅い仕組みでもあります。SNSやメールが当たり前になり、言葉はほとんど瞬時に届くようになりました。けれど、その遅さやずれには、失われてきた別の可能性があるのではないかとも考えていました。遅れて届くこと、ずれて届くこと、余白や断絶を含んで届くこと。そうした時間性は、ときに元の意味を変え、新しい意味を生み出します。私たちは、そうした遅延や変形を、単なる不便さとしてではなく、別の価値として捉え直したいと思っていました。
そして、文芸誌そのものもまた、きわめて郵便的なメディアであるように思います。誰かに宛てて書かれた言葉が、編集という過程を経て、時間差をもって誰かの手に届く。送る、仕分ける、届ける、受け取る。郵便の一連の行為は、そのまま編集の原型でもあるはずです。第4号では『ヤドリギ』という文芸誌自体をひとつの郵便装置として捉え直し、編集とは何か、言葉を手渡すとはどういうことか、その原点に立ち戻る号にしたいと考えていました。
しかし——制作は当初の想定どおりには進みませんでした。これは単なる遅れである、という言い方もできるかもしれません。しかし、「郵便」について考える上で、その遅れをただ否定すべきものとしてではなく、むしろこの号の主題と響き合うものとして受けとめてみることが出来るのではないかと思うようになりました。届くまでに時間がかかること。途中の状態が露わになること。予定通りに進まず、しかしそのことによって別の道筋が見えてくること。そうした事態そのものが、ある種の郵便的霊感とともに、ひとつの方向を示してくれたように思います。
途中で刊行するというアイデアは、このような過程で生まれました。
本号を軸にしながら、ここからさらに企画や原稿を増やし、一部を入れ替えたり変えたりしながら、第4-2号、第4-3号……そして来たるべき第4号の完成版へ向かって制作を続けていく。そのための第1便として、この第4-1号を送ります。
『ヤドリギ』ではこれまで、大きな声や分かりやすい主張である必要はない、ゆらぎを含んだ言葉や、まだ定まりきらない思考の断片にも居場所があってよいのだ、ということを言い続けてきました。そうであるならば、文芸誌という形態自体もまた、そのようなあり方を取って良いのではないか。完成されたひとつの像としてだけではなく、揺れながら、断片を晒しながら、誰かの応答を受け取りつつ変わっていく媒体として存在してもよいのではないか。今回は、そのことを実際の形式として試みたいと思います。
加速するコミュニケーションのなかで、送り手と受け手のあいだにある過程は、ますます短縮され、見えにくくなっています。けれど本来、何かを誰かに届けるということには、もっと多くの時間と、逡巡と、手つきが含まれていたはずです。この途中で露わになった第4-1号は、その過程を否応なく晒し出します。
「ヤドリギ」は開かれたコミュニティである。趣味や嗜好を共有したサークルではないし、共通の理念や目的を持った団体でもない。
ということもまた、言い続けてきました。目的だけに回収されず、加速する現代から少し距離をとりながら、自由に思索と試作を重ねられる場所。そこで刊行される文芸誌としても、このような形式は、むしろふさわしいものなのではないかと思います。
本号には、白紙のページを多く挟みました。あなたの書き込みによって、この文芸誌の制作はさらに進んでいきます。本号を読んで生まれた応答、連想、反論、それと直接には関係のない思いつきでもかまいません。そうした断片を第4-2号のために共有して貰えたらと思います。
ヤドリギは、いつでも開かれています。
無限の広がりをもった制作過程の断片として、この第4-1号はあります。ここからまた別の言葉が手渡され、増え、ずれ、繋がっていくことを願って、この一冊を送り出す。
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