「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ…」
昭和20年8月15日、ラジオから流れる玉音放送と共に長かった戦争が終わったんだ。当時私はまだ小学生で、天皇陛下が何を言っているのかわからんかったよ。
でもな、周りの大人たちは涙を流しながら、日本が負けたことを説明してきた。そりゃ日本中至る所で空襲があって、新型爆弾まで落とされたんだから、勝てるわけないのは子どもの私にもわかったさ。それでも、大人たちの中は本当に勝てると思ってる人もいたんだろうね。隣の爺さんなんか申し訳ないって言いながら泣き崩れてたよ。
私は戦争が終わったことに対しては負の感情は何もなかった。もう空襲もないし、父ちゃんも帰ってくると思ったら、終わったことに万々歳だった。でもな、そんな戦争の中でたった一つだけ頭に残って引っかかっていたことがあるんだ。それは忘れもしない、終戦の2週間前。8月2日のことだ。