☆文芸誌「天気図」☆23号
●巻頭
森 義真
「石川啄木記念館」元館長で啄木研究家として知られる森義真氏が登場し、啄木にまつわるお話を綴っていただきます。(題未定)
●参加作品
エッセイ
「コメ・野菜は本当に高いのか」松浦健一
降って沸いたように起こった「令和の米騒動」。コメの価格はいっきに高騰した。しかし、農家の時給は10円という。農業県から工業県に変わりつつある岩手農業を憂うるエッセイ。
(現・株式会社佐藤正行種苗 取締役顧問)
●同人作品
エッセイ
「『デブ』の語源」野中康行
「ことば」とは、1つ1つが関係性を持ち、いくとおりにも組み合わせができる巨大なシステムである。では「デブ」の語源は? 昔のポルトガル人宣教師が書いた「日葡(にっぽ)辞書(じしょ)」を開いて起源をたどっていく。
詩
「海月」杉田未来
海にたゆたう海月。仲間たちは見事に7色で、同じようでいなければ、と月の光を集めている。ところが月の光といつわり灯台の光を集めてきた者がおり……。幻想的であるが、人間社会を見るような詩。
「夜に傾く」安住幸子
行きたいところは、辿り着けそうで辿り着けない、夜のとばりのむこうに輝やくあの場所だ。急げ急げ。バターになったトラになってしまう前に。ことばの不思議なスピード感に気圧され心が沸き立つ。
時代小説
「猿(ましら)の走り峠」小原光衛
「小間物屋安兵衛」シリーズに登場する晴雨考研究家の新吉と彼の父親仁吉の二代にわたる物語。仁吉は夕時雨村に村自慢の清水を湛える石枡をつくる。新吉は晴雨考が藩侯に認められる。
「形見の守り刀」誠子
「神田杉之介」シリーズ。今回は杉之介の妹・由乃が大活躍。叔父からもらった守り刀で乱心した浪人を見事に退治する。その浪人は蝦夷地へと幕府から出兵を命じられた兵の遺児だった。
「継(けい)」四ツ家絵里
盛岡藩の当主、南部利直は跡継ぎとなる嫡子・重直をわがままな奴と嘆き、反対に出来が良く真面目な側室の子・利康を買っていた。どちらが跡継ぎとしてふさわしいか、和歌の読み解きをさせてみる。
小説
「ユーカリ香る街で」多田加久子
「モライユ」シリーズもいよいよ総集編に入った。今回の主人公・彩香の卒業したS大学にスペインの大学からやってきた先生は、亡き母の元彼・ミツルだった。これまでの謎がいっきに解けていく。
「Gペンとゴム足袋」佐藤幸浩
戦後まもなくのまだ日本が終戦の影を引きずっていた時代。岩手の最南端の中学と宮城の最北端の中学が、県境を越えてバスケットの練習試合をする。岩手側で活躍した幸雄は、漫画のうまい宮城の中学生と友達になる。彼は将来プロの漫画家になる、と言って胸を張るのだった。
「昭和物語 屋台」渡邊治虫
今から57年前の蒸気機関車が電気機関車にとってかわろうとする時代。東北の港町を舞台にした人情味あふれる人間ドラマ。国鉄職員の達治は、国鉄の人夫・六さんのまっすぐに生きようとして早逝した真実を知ってしまう。屋台の親父と彼の男気溢れる人生を惜しむ。
評論
「SF作家・光瀬龍――戦闘美少女のはじまり(仮題)」立川ゆかり
SF作家光瀬龍は、宇宙で活躍する戦闘美少女、東洋的無常観等、様々な分野においてさきがけを作った作家である。彼の原点をさぐっていく。
*他にも新刊案内やお知らせなど、記載以外の作品や記事も掲載される予定です。