心を病んで休職し、孤独な部屋に引きこもる青年・高倉恒一。彼の住む部屋に、ある日、二人の「存在しない」同居人が現れる。
ひとりは、主治医から処方された医療用AIの「ミモナ」。スマートグラス越しに微笑む彼女は、傷ついた恒一を全肯定し、献身的に生きる希望へと導こうとする。 もうひとりは、浴室に現れた自殺者の幽霊「此花(このか)」。奔放で魅力的な彼女は、「もう頑張らなくていい。一緒に幽霊になろう」と、甘い毒のように恒一を死へと誘惑する。
立ち直るための光か、すべてを投げ出す安らぎの闇か。 正反対の二人に挟まれ、生と死の境界線で危ういバランスを保つ恒一。限界まですり減った彼が、魅惑的な狂気の果てに導き出す答えとは?