この電車は海から遠ざかっている
- 南1-2ホール | Q-47 (評論・研究|文芸批評)
- このでんしゃはうみからとおざかっている
- 辻野たき
- 書籍|B6
- 62ページ
- 300円
- 保坂和志ファン、山下澄人ファン、必読。
読み進めるごとに形を変えていく、刺激的で魅力あふれる小説です。タイトルが、『この電車は海から遠ざかっている』とあるように、どんどん主題が、主体が、遠ざかっていき、逸れていき、反転し、転調していく。 『海』という共通イメージが逸れていき、『鳥』というイメージに接続し、『庭』というイメージに転じていく。 主体の名付けも、「坂口」が「僕」なのか、あるいは「きみ」「君」なのか、「僕」は、みさきの夫なのか、息子なのか、ロドウィックなのか、本名でない「シラヌイ」さんは「坂口」なのか、それとも別のだれかであるのか、ロドウィックの夢の中の異国の女が、「坂口」であり「みさき」なのか、繰り返される語りが、すすむにつれ、少しずつ輪郭を変えていき、読者は揺さぶられ、すすむごとに、物語は更新され、形を変えていく!!
