3つの短編が収録されています。
①『赤い光』
兵十に撃たれ、死ぬ。
目を覚ますと、また藪の中にいる。それを、何度も繰り返してきた。
なぜ兵十は撃ったあと、あの顔をするのか。
盗んでも、与えても、助けても――届かない。
理解できないまま積み重なる、千回の死。
それでも、ごんはやめなかった。
これは、“わかりあえなかった物語”の、もう一つの結末。
②『青い道』
友のために走り、約束を守り、死ぬ。
それが、メロスの物語だった。だが――もし、走らなかったとしたら?
死は一本道だ。
だが、生は枝分かれしている。信頼を裏切り、誰かの死を背負いながら、それでも生きる。
その選択は、臆病なのか。
それとも――人間なのか。『走れメロス』を根底から覆す、もう一つの物語。
③ゲーム『名文迷歌』リプレイ
「ごん、お前だったのか。いつも【 】をくれたのは」
名文に、まったく別の言葉を入れる。
それだけで、意味が崩れ、笑いが生まれ、ときに新しい解釈が立ち上がる。
この本に収録された二つの短編――
『赤い光』『青い道』も、そんな遊びから生まれた。名文が、別の物語になる。
その瞬間を、ぜひ体験してほしい。