「私は今、自らの手で心臓を破り、その血をあなたの顔に浴びせかけようとしています――」
夏目漱石の最高傑作にして、日本文学史上最も読まれている「こころ」。 教科書では味わえない、魂を揺さぶる人間ドラマが【全編フルカラー漫画】で鮮やかに蘇る!
「先生は、なぜ死を選んだのか?」 「親友Kは、なぜお嬢さんへの恋心を封印できなかったのか?」
誰もが一度は耳にしたことのある名作『こころ』。しかし、活字だけでその真髄――登場人物たちが抱えるドロドロとしたエゴイズム、焦燥感、そして狂おしいほどの愛――を完全に理解するのは容易ではありません。
本書は、夏目漱石が描いた明治の空気感と、登場人物の微細な心理描写を、現代の読者に最も伝わる「フルカラー漫画」という形式で再構築しました。
先生の苦悩に満ちた表情、Kの重苦しい沈黙、お嬢さんの無邪気な笑顔、そして鮮烈な血の赤……。 文字だけでは想像しきれなかった情景が、圧倒的な臨場感を持ってあなたの胸に迫ります。
物語は、夏休みの鎌倉から始まります。 大学生の「私」は、海岸で一人の不思議な男性と出会います。どこか影があり、世の中を拗ねているようなその男性を、私は「先生」と呼び、慕うようになります。
【上・先生と私】 足繁く先生の家を訪ねる「私」。しかし先生は、常に奥さんとの間にも、私との間にも、見えない壁を作っているようでした。 「私は寂しい人間です」 「恋は罪悪ですよ」 謎めいた言葉を繰り返す先生。彼はなぜ、そこまで人間を信用しないのか。なぜ、自分自身さえも軽蔑しているのか。その裏には、過去に封印した「ある事件」が隠されていました。
【中・両親と私】 大学を卒業し、病床の父を見舞うため実家へ戻った「私」。 死期が迫る父を前に、田舎の家族と共に過ごす日々。しかし、私の心はどこか上の空で、東京にいる先生のことばかりを考えていました。 そして、明治天皇崩御の報とともに、父の容態はいよいよ危篤状態に。 その枕元に届いたのが――先生からの分厚い手紙でした。 「父の死」か、「先生の運命」か。私は瀕死の父を残し、東京行きの汽車に飛び乗る決断をします。
【下・先生と遺書】 大学を卒業し、父の病気で実家に戻っていた「私」のもとに、分厚い手紙が届きます。それは、先生から私に託された、最初で最後の「遺書」でした。 そこで語られるのは、先生の青春時代、そして親友「K」との壮絶な三角関係の真実。 同じ下宿に住むことになった先生とK。二人は共に「お嬢さん」に恋をしてしまいます。 「精神的に向上心のない者は馬鹿だ」 禁欲的で道を求道するKが、ふと漏らした恋の告白。焦った先生は、Kの純粋な心を利用し、取り返しのつかない裏切りを行います。
そして訪れる、運命の夜。 襖の向こうで先生が見たものとは――。
1.情景が目に浮かぶ「フルカラー」表現 モノクロ漫画では表現しきれない「明治の灯り」「血の赤さ」「顔色の変化」を、全ページフルカラーで彩色。当時の空気感に没入できます。
2.心理描写を極めた「表情」の演出 言葉にできない「間」、視線の動き、脂汗、震える指先。漱石が文章で描いた繊細な心理を、劇画タッチの迫力あるイラストで可視化しました。
3.原作に忠実かつ、読みやすい構成 原作の持つ格調高い言葉選び(「精神的に向上心のない者は~」等の名言)はそのままに、現代人でもスラスラ読めるテンポの良いコマ割りを実現。
4.文学学習・学び直しに最適 「読書感想文のためにあらすじを知りたい学生」から、「昔読んだけれど挫折した大人」まで。30分で『こころ』のすべてが分かります。
5.Kindleでしか読めないオリジナル編集 電子書籍リーダーやタブレット、スマートフォンでの閲覧に最適化されたレイアウト。どこでも手軽に、名作の世界へトリップできます。
夏目漱石の『こころ』は、100年以上前に書かれた小説ですが、そこで描かれている「人間の孤立」や「エゴイズム」は、現代を生きる私たちにとっても切実なテーマです。
「他人を信じられない」 「自分さえよければいいと思ってしまう瞬間がある」 「過去の罪悪感に苛まれている」
先生の姿は、現代人の心の鏡でもあります。 このフルカラー漫画を通じて、漱石が遺したメッセージを、より多くの人に、より深く届けたいと願っています。
ページをめくる手が止まらなくなる「明治の悲劇」を、どうぞ最後まで見届けてください。 そして、ラストシーンで「私」が流した涙の意味を、あなた自身のこころで感じ取ってください。
【目次】
・(上)先生と私
・(中)両親と私
・(下)先生と遺書
・あとがき
さあ、先生の「遺書」の封を、今すぐ開けてください。 あなたの「こころ」を揺さぶる体験が、ここにあります。