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女の子は運命に抗えるか 少女漫画を中心とするヒロイン表象

  • 南1-2ホール | W-08 (評論・研究|アニメ・マンガ・ゲーム)
  • おんなのこはうんめいにあらがえるか しょうじょまんがをちゅうしんとするひろいんひょうしょう
  • 山下琉璃
  • 書籍|A5
  • 128ページ
  • 1,300円
  • 2026/5/4(月)発行
  • 目次

    第一章 前世ものに見る運命 少女漫画は運命を受容する
    第二章 恋愛と運命ーー運命下での自立を模索
    第三章 運命からの解放
    コラム 労働と運命解放の歴史
    コラム ななせ悠作品における運命と解放
    第四章 救済ものの変遷 運命下での自立戦略とその終焉
    補論  ポストフェミニズムと救済もの 仕事と家庭の両立問題
    コラム 『スキップとローファー』におけるポストフェミニズムとポストLGBTQ
    第五章 新自由主義と運命解放希求 対幻想の崩壊と、それに代わる自由と主体の獲得
    第六章 ももクロと有安杏果 新自由主義下の絶望と希望
    第七章 『ちはやふる』と運命 新自由主義的解放の先
    終章  女の子は運命に抗えるか

    取り扱い作品
    太字:メインで論じているもの 細字:紹介程度のもの

    ベルサイユのばら
    はみだしっ子
    風と木の詩
    BANANA FISH
    イティハーサ
    ぼくの地球を守って
    花より男子
    この手をはなさない
    こどものおもちゃ
    天使禁猟区
    密・リターンズ!
    彼氏彼女の事情
    妖しのセレス
    ZERO
    フルーツバスケット
    パートナー
    NANA
    アンダンテ
    7SEEDS
    僕等がいた
    学園アリス
    ファンタジックチルドレン
    窮鼠はチーズの夢を見る 俎上の鯉は二度跳ねる
    Honey Bitter
    花まんま
    少女ファイト
    NGライフ
    羣青
    ちはやふる
    ボクラノキセキ
    Piece
    となりの怪物くん
    オハナホロホロ
    失恋ショコラティエ
    ももいろクローバーZ
    妖狐×僕SS
    脳内ポイズンベリー
    Deep Clear
    あさひなぐ
    あの娘が海辺で踊ってる
    スピリットサークル
    逃げるは恥だが役に立つ
    未完成
    365+1
    懲役339年
    凪のお暇
    世界で一番、俺が◯◯
    メタモルフォーゼの縁側
    違国日記
    ひそねとまそたん
    ゾンビランドサガ
    かけおちガール
    夢の端々
    スキップとローファー
    流浪の月
    マイ・ブロークン・マリコ
    離ればなれの花々へ
    コールミー・バイ・ノーネーム
    魔女の村
    燕は戻ってこない
    おとなになっても
    明日、私は誰かのカノジョ
    初×婚
    有安杏果
    推し、燃ゆ
    三日月とネコ
    女ともだちと結婚してみた
    海が走るエンドロール
    悪役令嬢と愛のためならなんでもする女
    その日に残るかけらのために
    マダムたちのルームシェア
    作りたい女と食べたい女
    あのこの子ども
    恋せぬふたり
    汝、星のごとく
    はなものがたり
    冷たくて柔らか
    零れるよるに
    MAMAMATCH
    噓つき花嫁と同性結婚論
    ちはやふるplus きみがため
    バカ女26時
    続く道 花の跡
    タイムマシンはお呼びでない!
    きみのことがだいすき
    No No Girls
    平成敗残兵☆すみれちゃん
    小さい頃は、神様がいて
    さいかい

    各章紹介

    第一章 前世ものに見る運命 少女漫画は運命を受容する
    ここで言う前世ものとは、生を超えてつづく自己に懐疑を抱き、運命に抵抗する転生作品です。
    前世と現世の人格の連続性を疑わない転生ものとは区別しています。
    そんな前世ものジャンルにおける、少女漫画の特異性について。

    第二章 恋愛と運命ーー運命下での自立を模索
    恋愛結婚は70年代以降に主流となりました。
    当初はイエから解放されることを夢見て恋愛を望んだ女性たちも、異性愛こそが運命を縛ることに気づきます。
    恋愛=運命となった時代。運命下で部分的な主体性を獲得しようとするヒロイン像について論じます。

    第三章 運命からの解放
    運命から解放される女の子。
    解放の時代にあっても、まとわりつづける解放されない影。
    この両極端なフィクションの同時代性をどちらの面からも捉え直します。

    コラム 労働と運命解放の歴史
    フィクションでは、労働こそが女の子を運命から解放してくれるものだと描かれがちです。
    それはなぜなのか? 本当に労働が運命から解放してくれるのか?

    コラム ななせ悠作品における運命と解放
    現在は主にジャンプ+で活躍中の、百合同人出身漫画家ななせ悠。
    初期短編三編は運命/解放をモチーフにしています。
    第二章、第三章で見た運命/解放になぞらえて、一段詳しく格差と共にこのモチーフを検討します。

    第四章 救済ものの変遷 運命下での自立戦略とその終焉
    救済ものとは、女の子が男の子のトラウマを受け入れ癒して救済することによって固く結ばれる少女恋愛ファンタジー。
    なぜあの頃救済ものが必要だったか。どこから来て、どう変化し、現在どこに着地しているか。
    『こどものおもちゃ』『彼氏彼女の事情』『フルーツバスケット』を始めとして。
    2万字総括。この本の目玉です。

    補論 ポストフェミニズムと救済もの 仕事と家庭の両立問題
    第四章の補足。
    救済ものの社会背景にあるポストフェミニズム的欲望は、仕事と家庭の両立の葛藤につながります。
    救済ものの中にいかに「両立問題」が埋め込まれていたかを解き明かし、背景まで探ります。

    コラム 『スキップとローファー』におけるポストフェミニズムとポストLGBTQ
    第四章でポスト救済ものと位置づけた『スキップとローファー』。
    この作品のポストフェミニズム的側面と、近似したポストLGBTQ的側面について。

    第五章 新自由主義と運命解放希求 対幻想の崩壊と、それに代わる自由と主体の獲得
    新自由主義は過酷な競争と同時に自由への解放的気分も連れてきました。運命解放の対幻想的解決は過去となり、代わりが模索されています。
    新自由主義がもたらした解放の先をどう生き延びるか、フィクションも考え中。

    第六章 ももクロと有安杏果 新自由主義下の絶望と希望
    2011年~2013年ごろの流行期、ももクロの何が人々に刺さったのかといえば、新自由主義文脈を背負う彼女たちの「絶望から希望へ」のパッションです。
    元緑・有安杏果推しの筆者が杏果卒業ショックを清算するため2020年に書いたももクロ評。

    第七章 『ちはやふる』と運命 新自由主義的解放の先
    『ちはやふる』は新自由主義的労働市場で、「女の子も、戦う」ことを体現しました。
    それが運命からの解放を象徴しますが、それで終わりではありません。
    解放の先に待ち受けるものとは。

    終章 女の子は運命に抗えるか
    本書のまとめを、『7SEEDS』に絡めて。
    女の子と運命のゆくえ。

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