突如、地上の空に十の太陽が現れた。
灼熱地獄と化す地上を、天界から眺めていた弓矢の名手・夷羿。
友人の制止を振り切り、愛弓と共に単身地上へ降り立ったことが悲劇の始まりだった——
裏切りと喪失、加害と贖罪、そして破滅と再生。
それでもなお、羿は真の幸せを得られるのかを問う、中華神話救済譚!
※暴力描写、愛人関係、処女受胎、転生要素を含みます。
中国神話のエピソード『羿射九日(いしゃきゅうじつ)」と『嫦娥奔月(じょうがほんげつ)」を題材にした一次創作作品です。
2025年9月7日のコミティア153にて頒布しておりました。
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古代中国では、空には10個の太陽があり、日ごとに1つずつ交代で昇ると考えられていました。
ところがある日、10個の太陽が同時に昇り、地上は灼熱地獄に。
焼けるような大地に苦しむ人々は、天に助けを求めました。
その祈りに応えて現れたのが、弓の名手・羿(げい)です。
羿は赤い弓に白羽の矢をつがえ、空に並ぶ太陽を次々と射抜きました。
射落とされた太陽達は燃え尽きて三本足の烏へと姿を変えました。
こうして空には1つの太陽だけが残り、地上に平穏が戻ったのです。
めでたし、めでたし……ではなく、この物語には悲劇的な続きがあります。
射落とされた太陽は、実は天帝の子供たちでもありました。
怒った天帝は羿とその妻・嫦娥(じょうが)を神から人間に落とし、地上へ追放してしまいます。
やがて羿は西王母(せいおうぼ)という仙女から仙薬を授かりました。
その薬は、半分だけ飲めば不老不死に、すべて飲めば神に戻れるというものでした。
しかし、嫦娥は羿の留守中にその薬を一人で盗み飲んでしまいます。
理由は諸説あり、仙女の身に戻りたがったからとも、強盗から夫を守るためとも言われています。
いずれにせよ薬を飲み干した嫦娥はそのまま天に昇り、月で囚われの身となってしまいました。
一説では嫦娥は蟾蜍(ひきがえる)の姿に変えられたとも言われます。
このため、中国では「月に蟾蜍が住む」と信じられているのです。
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【書籍情報】
サイズ:A5
ページ数:288p(本文)
※無料で登場人物解説冊子(B6/36p)をお付けします
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※独自解釈の人間関係があります
※軽度の暴力表現があります
※処女受胎描写があります