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猫の居た所

  • 南1-2ホール | R-91 (小説|純文学)
  • ねこのいたところ
  • なにくれかたき
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 76ページ
  • 450円
  • 2025/11/20(木)発行
  • 空想小説です。

    書出しの処とまた半ばの少し載せて置きます。
    ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
    猫が雲に載って空を飛んで行くのを見掛けたからちょっと其処まで追いかけて行くのを想ったけれど彼らは餘(あま)り早く飛び去ってしまうので、追い掛けるのにも眼で追って行く事しか出来ない歩いて居る時のまだ出先の事である。彼らはその辺りの道端でも出逢う事が出来る。彼らに話を問うのも当り前ではあるが居る。初めは寄ってたかっていた種々の者がいたけれども彼らにして見れば只其処を歩いて居るだけであるのでやかましく困ってしまって空へ逃げ込んだのである。さて話は何も変な事に想うのであるけれども、雲に胡坐をかいて空へ飛んで行くのであるから彼らは雲の上に住み家があると云う事は当り前のもの事に思うのであるから、
                   ~

    猫が二足で歩いていると云うのを聞いた事があったので、其処へ向う事にするのであるけれども、此れは誰かに聞いた訳でも、何処からかで耳にした訳でも無く、只何と無く知って居るのである。但し、此れも何とは無しであるけれども、其処へ行かなくてはならない訳と云うのがあって、それは後(のち)に知られるものとして、今は此の覚えと云うのに従って見ると云う心地である。そうであるから、何処にあるものかも知らない其の猫の居る所へ恐らく勝手に連れて行って貰うものだと思う。そうであるから、其処に向かう事にするのである。

    或る日いつの事であるかは知らないとでも云うけれども、其処は何処かの道の上である。其れを何故と思うのは、あるものだと考えるけれども、聊(いささ)か仕方無く、道は今しか視えないのであって、其処へ行って見るのならば、或る公園に往くのである。辺りに霧が起(おこ)って、餘(あま)り分からない位に其処に扉が現れる。傍に迎える者はなく、只梯(はしご)が勝手に掛けられる。其の板の梯と云った橋渡しなるのを上がって、斜めに歩いて扉の前に往きて、把手に手を掛けるなり、おもむろに開けると、内側は何も眼の先は霧の内側である。

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