猫が二足で歩いていると云うのを聞いた事があったので、其処へ向う事にするのであるけれども、此れは誰かに聞いた訳でも、何処からかで耳にした訳でも無く、只何と無く知って居るのである。但し、此れも何とは無しであるけれども、其処へ行かなくてはならない訳と云うのがあって、それは後(のち)に知られるものとして、今は此の覚えと云うのに従って見ると云う心地である。そうであるから、何処にあるものかも知らない其の猫の居る所へ恐らく勝手に連れて行って貰うものだと思う。そうであるから、其処に向かう事にするのである。
或る日いつの事であるかは知らないとでも云うけれども、其処は何処かの道の上である。其れを何故と思うのは、あるものだと考えるけれども、聊(いささ)か仕方無く、道は今しか視えないのであって、其処へ行って見るのならば、或る公園に往くのである。辺りに霧が起(おこ)って、餘(あま)り分からない位に其処に扉が現れる。傍に迎える者はなく、只梯(はしご)が勝手に掛けられる。其の板の梯と云った橋渡しなるのを上がって、斜めに歩いて扉の前に往きて、把手に手を掛けるなり、おもむろに開けると、内側は何も眼の先は霧の内側である。こちらのブースもいかがですか? (β)
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