こちらのアイテムは2026/5/4(月)開催・文学フリマ東京42にて入手できます。
くわしくは文学フリマ東京42公式Webサイトをご覧ください。

小説 ちんちん短歌 短歌奴隷・公孫建はなぜ大伴家持の前でちんちんを出し、短歌を舞ったか

  • 南1-2ホール | G-62 (詩歌|俳句・短歌・川柳)
  • しょうせつ ちんちんたんか たんかどれい・こうそんけんはなぜおおとものやかもちのまえでちんちんをだし、たんかをまったか
  • 藤田描
  • 書籍|A5
  • 348ページ
  • 2,000円
  • https://x.com/namecatbeliever
  • 2025/5/11(日)発行
  • 『ちんちん短歌』『ちんちん短歌〈ちんちん編〉』に続く、ちんちん短歌第三集は「小説」。
     
     万葉集に「ちんちん」は一切詠われていない――それは何故か。
     隠されたちんちんをめぐる長編歴史ミステリー。 主人公は行く先々でちんちん丸出しになり、最終的に死にます。 全346ページ。
     
     奈良時代後期。「短歌」とは、ヤマト語を57577の音のリズムに合わせ詠い踊るリズムギャグであり、舞いであった。そして言葉と共に舞いを振りつけ、全身で短歌を記憶し記録する「短歌奴隷」は実在した――。
     短歌奴隷・公孫建は大伴家持の前で一〇年後、ちんちん丸出しで短歌を披露することになる。
     家持は未だ見ぬ短歌すべてを記録せんと、建に全国短歌蒐集の旅を命じたが、
     旅先で武士に尻穴を犯されそうになったり、
     老婆のまんこから出てきた火の鳥に焼かれて死んだり、
     地獄に落ちたり、
     アフリカに行ったり、
     忍者村でセックス刑に処されたりする中、行く先々でちんちん丸出しになるのであった……。
     ちんちん短歌出版世界初の長編時代小説。なぜ万葉集には、ちんちんの一字も刻まれていないのか。歴史の闇に葬られたちんちんの謎が今、解き明かされる。

     以下、冒頭抜粋。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    第一話、そして第二九話【なぜ建はちんちん丸出しで短歌を舞ったか】


     公孫(こうそん)建(けん)は下衣を脱ぎ、ちんちんを出した。
     大伴家持(おおとものやかもち)はそれを見ている。

     建のちんちんは、やや盛り上がり、しかし完全には勃起していなかった。垂直に働く重力に、わずかに抗うように、建のちんちんは下向きに弧を描く。
      深く息を吐くと、その息を吐ききったまま右腿をあげ、左足は屈伸させる。そしてそのまま、足を立体的に、左右に開く。ねじれた観音開きと言えようか。
      開いた股の真ん中から放たれたちんちんの匂いが、家持のいる文机のところにまで届いた。
      萱の香だ、と家持は気づいた。
      一時(いっとき)前、建は香鉢に衣ごとまたがり、また、萱を燃やした灰を食らっていた。 そしてその灰の香を、いまこの瞬間、毛穴という毛穴から、特にちん毛の毛穴から、解き放ったのだ。ちん毛が一番匂いを放つことができることを、建は知っていた。
      匂いを振りまきながら、建は、舞う。
      そして、腹下――丹田にて、「いき」を生成する。そして腹の力を使い「いき」を喉に押し上げ、喉奥から言葉を、ウタを、放つ。

    「にはにたつ―― あさて、かり、ほし、ぬのさらす」

       次の言葉を口に押し上げる時、建のちんちんは自ずから丸まり、睾丸に張り付いた。ちんちんを、手を使わずに動かしたのだ。このために、建はあえて、ちんちんを半分だけ怒張させ、コントロールした。こうしてちんちんを丸め、睾丸に張り付かせたこれを「女性器」、つまり、まんことして「見立て」た。
      建は、この時、この瞬間のみ、女となる。

     「あづまをみなを――わすれたまふな」

      建は女としてそう詠い、丸めたちんちんを維持させながら、全身から匂いを放ち、そして、舞い続ける。
      脚を踏み鳴らすと、地鳴らしたところに「景」があらわれる。
      音により、歌の中にあらわされた庭が、この場に広がっていく。
      手で空間を裂くと、裂いたところに「動」が出る。
      手の動かし方の、その根拠……その動機を連想させ、ついにその動きは「麻手刈り」「干し」「布さらす」を表しながら、歌中の主体の身体が出現する。 ただの手の動き。しかしその動きで、「人」が現れるのだ。

     建は舞う。
     ちんちんを出し、舞う。詠う。いきを出す。匂いを出す。空気を沸かせ、その場に居る者の肌を揺らす。
     このようにして、建は、目の前の、観客である家持のために、舞った。

     そしてこれは、建にとっての、ラストダンスだった。

ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になる出店者を記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。

同じ出店者のアイテムもどうぞ

ちんちん短歌 増補改訂版ちんちん短歌〈ちんちん編〉小説 ちんちん短歌  短歌奴隷・公孫建はなぜ大伴家持の前でちんちんを出し、短歌を舞ったかちんちん短歌ステッカー