江戸川乱歩や稲垣足穂が幼少期に夢中となった幻の小説が、120年の時を経て復活!
押川春浪による明治時代の児童文学『立身膝栗毛』を新仮名遣いにし、読みやすくしました。
生まれながらにして母を亡くした少年は、衝動のまま冒険へ飛び出してゆく。お姫様に幽霊、美少年と、移り変わる万華鏡のような恋愛を重ね
る少年。絵画の聖母へ会うために教会へ通い詰めていたある日、彼はひとりの旅絵師と出会うことで、母の眠るヴェニスへ旅立つ事を決意する。
江戸川乱歩の随筆『活字と僕と』に「どうにも忘れられない小説」「読んでから二月も三月も、その甘い夢の世界が、心臓にまといついて離れなかった」「今に忘れぬ感銘を受けた本」と絶賛された小説です。
乱歩の文を読んだ稲垣足穂も同調し、『旅順海戦館と江戸川乱歩』では、「この本は私も読んで、そのスイートネスに魅せられ、虜になったことはなお昨日の話のようである」と書き、読者に情報提供まで求めています。
これらの名前にピンと来た方は、ぜひ南1・2ホール S-22 へお立ち寄りください。
原本と同じ四六版単行本です。早稲田と会津若松の初版本を参考に、当時の表紙を再現しました。画家三井萬里による口絵や、足穂が言及した再版の表紙もカラーで収録しています。