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春に溶けた、灰色。 大槻みのり百合短編集

  • 南3-4ホール | お-43 (小説|百合)
  • はるにとけた、はいいろ おおつきみのりゆりたんぺんしゅう
  • 大槻みのり
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 312ページ
  • 1,000円
  • 2025/11/23(日)発行

  • 「――恋なんて、最初からしてなかったんだよ。」

    表題作「春に溶けた、灰色。」ほか、全八編を収録。
    柔らかで、少しだけ苦い感情を綴る百合短編集。

    【収録作品一覧】

    春に溶けた、灰色。
    マッチングアプリで出会った女の子は、自身が教鞭を執る学校の生徒だった。
    弱みに付け込まれるように始まった関係。しかしそれは、想像よりも穏やかで、心地よくて。
    漠然と、そんな日々が緩やかに続くと思っていた。

    色恋のないワンルーム
    幼馴染で親友、そして恋人。
    そんな関係だった二人は、大学進学を機に、ルームシェアとは名ばかりの同棲生活を開始した。
    しかしある日、前触れもなく「別れようか」と切り出されて――

    土曜の夜に、この場所で。
    休日出勤の後、ふらりと立ち寄った飲み屋で出会った一人の女の子。
    はじめましての筈なのに、やたらとフレンドリーで、話しやすくて。
    「土曜は大体ここにいる」と言った彼女と、連絡先の交換もしないままで交流が始まった。

    消えない恋の傷跡と、
    友人からの告白に、私は何も言葉を返せなかった。
    告白を受け入れる選択肢はなかった。その気持には応えられないから。
    微妙な気まずさと、小さな棘のようなものを抱えながらも、友人関係は続いていく。

    ファースト・キスは恋の味
    まるで恋人同士がするような温度のキスは、双子の妹からのものだった。
    驚いた、理解が出来なかった。……気持ち悪いとさえ、思った。
    私たちは、元のような関係に戻ることは出来るのだろうか。

    ふたりと、一夏。
    齢三十にして、急に出来た高校生の義理の妹。
    家族にはなったが、暮らす家も違う。さして深く関わることもないと思っていたが、
    彼女から「夏休みの間泊めて欲しい」と連絡が来て――

    両手を合わせて、
    恋人が死んだ。不幸な事故だった。
    以降、料理をすることがなくなった。私の料理は、全てが彼女のためのものだったから。
    しかしある日、彼女は幽霊となって私の前に現れたのだ。

    桜色リングノート
    美術部の活動が休みの水曜日、誰かが部室を使っていることに気が付いた。
    私は、顔も名前も知らない相手に、交換ノートを持ちかけた。
    週に一度、手書き文字だけの交流。それはきっと卒業まで続いていくのだと、そう思っていた。

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