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何処かで誰かが言っていた事について

  • 南3-4ホール | き-26 (小説|短編・掌編・ショートショート)
  • どこかでだれかがいっていたことについて
  • 尾井シャイ
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 500円
  • 2025/11/23(日)発行

  • 連作短編集です。
    私が今書きたいことを書きました。

    ――――
     『王様の耳はロバの耳』って童話、あるじゃないですか。 王様の散髪を任された床屋が、王様の耳がロバの耳であることを知ってしまった。床屋はその秘密を誰にも言わずにいるのが耐えられられず、その秘密を穴に叫んだら、その穴から伸びた葦が「王様の耳はロバに耳」って喋り出した話。 別にこの童話について深掘りしたい訳じゃないんですが、私、この床屋に凄く共感できるところがあるんですよね。
     ほら、誰にも話せないことって、誰かに聞いてほしくなっちゃいませんか。
     誰にも言えないことがありました。親友にも恩師にも、家族になんて、絶対に無理。 でも誰かに聞いて欲しいのです。共感が欲しい訳ではありません。もしかしたら聞いて欲しい訳でもないのかも。 多分、自分と一緒に灰になるまで必死に抱えておくには重すぎたんだと思います。
     この物語は、私が絶対に誰にも言えないことを、代わりに穴に叫んでいたら伸びてきてしまった葦です。 私にとってこの葦は必要だったんです。いや、正確には叫ぶことが必要だった。ならその結果生まれてしまったものは、もうどうしようもないじゃないですか。必要なことをやったら必然的に生まれてしまったのですから。 この葦は愉快にべらべらしゃべってくれていいのです。
     読者のあなたは、穴ですか。それとも葦ですか。
     どちらでもいい。だって叫んだ私は穴でも葦でもないから。
    ーーーー

    【目次】
    「ライフ・イズ・マネー」
     節約しなきゃ。そんなのずっと思っている。
     でも心を大切にしていたらお金が足りなくなった。
    「U2」
     そんな姿を私は毎朝晒しているのに、私の肌は黄色っぽいままだし、あごには一昨日から大きなニキビが出来ている。
    「海に帰ろう」
     どういう意味か分からなかった。
     あの子はどうやら泣いているようだ。



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