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白の邂逅

  • 南3-4ホール | け-11 (小説|アンソロジー)
  • しろのかいこう
  • 彼方冬のひかり
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 300ページ
  • 700円
  • 2025/11/1(土)発行

  • 出逢いの偶然性を集めて
    運命を形作る指先の
    滑らかさに触れる
    真白の季節はうつくしく
    さようならは何時かまで
    記憶の波に揺られながら
    再会の日まで息をする

    すべてに祝福のある世界で。

    かなふゆアンソロジー、第1弾。
    「彼方の冬でまた出逢う」をテーマに、これからの季節にぴったりな五つの物語をお届けします。


    ひなつぼし『エンドロール・ラブソング』

    お墓参りの時、当たり前に手を合わせるように俺はその歌を口遊んだ。

    『SingE2』としての音楽活動をやめ、普通の高校生活を送っていた深月。
    図書委員の当番を終え、ふと最後に作ったラブソングを口遊さんでいたところ、隣のクラスの朔久に声をかけられる。
    『SingE2』のファンだと言う朔久に──。

    一度向き合うことをやめ、恋を知ることも音楽を作ることも諦めた深月が朔久に出会い、過去に置いてきてしまったものと再び向き合う物語。

    「エンドロールの後にちょっとした映画の続きを期待したくなったんだ」


    蘇芳ぽかり『まなこ』

    「鏡沼はダムになって、それで俺たちは村を出る。それだけや」

    長帯村から立ち退くことが決定して四ヶ月。
    十五歳の良昭は村の外での生活を思い描きながら日々を過ごす。
    一方、祖父の茂夫は鏡沼で遠い日に見た龍の存在を主張して──。

    それぞれの思いを抱えた村人たち、少しずつ変化してゆく日常、それらの上に静かに降りしきる雪。
    大人と子供の狭間に立つ良昭が、その目で見たものとは。


    雲夢笑笑生『ラスヴェートの凱旋』

    「あんたの歌を聴いたとき、思ったんだ。あんたは、俺が昔そうだったように、世界に愛されて、必要とされる音色を持っているって」

    数十年前、とある出来事を境にピアノが弾けなくなってしまった天才ピアニスト、イヴァン。
    何もかも放棄して故郷を抜け出したイヴァンは、東の果ての国で自分を拾ってくれた親父と静かに暮らしていた──親父が死んだ、一月前のあの日まで。

    イヴァンの平穏な日々は親父の死と、一人の少女の来訪によって覆された。
    少女は天涯孤独だったはずの親父の娘を名乗ったあげく、イヴァンに「音楽を教えてほしい」と嘆願する。
    最初は激しく拒絶していたイヴァンも、どこか親父と重なる少女の姿を見ているうちに、徐々に彼女の音色に惹かれていって──。


    天井萌花『春探し』

    冬が遠ざかり春が顔を見せ始めるとある日。
    冬に囚われた少女、言羽は三年ぶりに再会した幼馴染、遥に「一緒に春を探してほしい」と願う。
    目的も聞かずに了承した遥とともに春を探しながら、言羽は遥の”今まで”を聞いて空白を埋めようとする。

    「遥、私のこと馬鹿にしてる」

    少しずつ春を見つけ、今の遥を知っていく言羽。
    なのに胸の奥がどんどん冷たくなっていくのは何故なのか。


    まくつ『望月』

    黒一色の夜空に向かって「しにたい」と願い事を吐き捨てた。

    世界の崩壊を願う平凡な女子高生、星野カナタはある日突然氷漬けの東京で目覚める。そこは信じて奇跡を起こす力──信力が存在する未来の世界だった。旅をする少女、スピカに出会いカナタはこの世界の真実を、そしてスピカのことを知りたいと思い始め──。

    時を超えて出会った少女の密やかな運命と世界の運命が重なり合う時、そこにはどんな願いがあるのか。私たちの中に渦巻いている幾つもの願いは、どれも偽りないものだから。──願いから、また始まっていく。

    「信じれば、どんな奇跡だって叶うよ」

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