『死んでしまった母と、死んで欲しい父』
人を想うことは、ときに呪いであり、祈りでもある。母わ見送り、父を拒み、それでも日常に立つ「わたし」が綴る、静かな告白の記録。
母を亡くし、叔母を見送り、祖母を火葬した。残された私は、誰かの死に慣れてしまった人間だ。けれど「死んでほしい」と願う父がまだ生きている。
家族とは何か。血のつながりとは。愛と憎しみは、どこまでが同じ根から生まれるのか。母の再婚相手「マリオ」、高円寺を愛し暮らした叔母、もう会うことのない友人。
記憶を辿りながら語られるのは、「呪い」と「赦し」の間を生きる、「わたし」の記録。
静かな語りの奥に、痛みと優しさが同居する——これは、死者を抱えて生きるための小さな取扱説明書。