日常生活のためのZINE『海衣類(かいるい)』を創刊します。1号のテーマは「家を書きなおす」。〈住み慣れた家に幽霊を見出すことはできるだろうか〉という問いのもと、「浴室」や「リビング」といった家の各部分についての文章を編みあわせることで、新たな家を立ちあげるコンセプチュアルな冊子となっています。フィクション、批評、エッセイ、日記といったさまざまな形式の文章が収められ、各文章はそれぞれ独立して読むことも、緩く響きあう連作として読むこともできるようになっています。
帰り道や家での空いた時間に読めるように、主には1000〜3000字の文章で構成されています。サイズは持ち運びにも便利なB6サイズ。ページ数は248ページと一般的な文庫本よりも少し厚めのボリュームとなっています。
各章は「浴室」「キッチン」「リビング」といったように家の各部分に分けられており、「浴室」であれば「浴室」についての文章がおかれています。冊子全体として一つの家となっており、読み進めていくたびにいくつもの不透明な層が立ち上がり、それらが重なりあっていくことで家の輪郭が浮かびあがるように、そしてだんだんとその向こうへと開かれていくように構成されています。
〈家〉と〈書くこと〉の関わりについての対談企画である「家と書くこと」、デグーとの日々を綴った日記「デグーについての日誌」、家と喪失の作品として宮崎駿『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』を読みとく「浮かぶ窓の向こう」など、フィクションを中心としながらもさまざまな形式の文章が収められています。