わたしたちがはじめて二人で会ったのは、渋谷のロイヤルホストだった。それから、蒲田の喫茶店で信じられないくらいでっかいフルーツパフェをひとりひとつずつ食べたり、永福町のイタリアンで分厚い釡焼きピザを手をべとべとにしながら食べたりした。そうこうしているうちにどういうわけか、一緒に本をつくるようになっていた。
「だれかと会って話をする」ということはほとんど、「だれかと一緒にご飯を食べる」ということのような気がする。そう思うと、この世界にご飯があってよかった、とか妙なことを考えたりもする。料理を挟んでだれかと向かい合った時間を積み重ねて、わたしたちはわたしたち自身をつくっていくのかもしれない。
この本は、風景をデッサンして絵のなかに閉じ込めるように、いま、わたしたちが心で見ているものを、デッサンするように、ていねいに言葉に書き起こす共著シリーズの第三弾です。
今回のテーマは、「ご飯のこと」。
のはずだったのに、気付けば二人とも、ご飯を共にしただれかとの記憶にまつわることばかりを書いていました。それをとても、必然的なことに感じています。わたしたちがお腹に蓄えてきた、たのしくておいしい記憶が、どうかあなたの心を温めることができたらうれしいです。