こちらのアイテムは2025/11/23(日)開催・文学フリマ東京41にて入手できます。
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ミルク

  • 南3-4ホール | ち-91 (ノンフィクション|エッセイ・随筆・体験記)
  • みるく
  • 肩丘 灯
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 210ページ
  • 1,300円

  •  冒頭 「十三回忌ってのはね、死んだ人の魂がついに宇宙と一体になる年なんだよ」 と教えてくれたのはうめ子ちゃんで、あのころのうめ子ちゃんはオカルトとかスピリチュアルとかホラーが好きで、死んだ人がどうなるかとか霊とかそういう話をよく教えてくれた。 「七回忌は?じいじは今なにしてんの?」 「それはわかんない」と、うめ子ちゃんは笑った。 「えぇー、なんで十三回忌はわかって、七回忌がわかんないのさ」とわたしは言った。 「悪いねえ」 うめ子ちゃんはいつもそんな風だった。 「ちなみに、生霊の方が本当は怖いんだよ。人に与える怨念みたいなの。死んじゃった方が、死を超えてるからちょっと軽いらしい。でもとても理不尽な死に方をした人の怨念が一番怖いよ」 ひえぇ‥‥とわたしは両肩を抱いて少し震えた。おじいちゃんの七回忌の法要の後、わたし達は真夏の真昼間の寺を歩きながらそんな話をした。前には、お父さんとお母さんと、おばあちゃんがいて、おばあちゃんが振り返って、「うめ子、そんな話してんじゃないよ」と言ったので、わたし達は口をつぐんだ。  思えばあの年が、わたしとうめ子ちゃんが一番近づいた年だった。わたしは十五才で、うめ子ちゃんは三十五才だった。 ‥‥

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