本書は、以下の4章で構成されている。
第1章 不動岩伝説をめぐる物語
第2章 景行天皇伝説をめぐる物語
第3章 阿蘇神話伝説をめぐる物語
第4章 相良家史話と天皇家をめぐる物語
今から遡ること3年前、熊本日日新聞の連載記事として「ジオ・ドラマ」という企画があり、私は筆者の一人であった。そして、記事作成のための取材のおりに、県北のとある地名を不思議に思い、その由来を見事に解き明かすまでのイキサツを綴った渾身のノンフィクションが第1章なのである。
第1章の探索活動で、第12代景行天皇の伝説が極めて重要なことに気がつき、県内の様々な伝説を採取する中で、特に県北に残る伝説と地質学や考古学と照らし合わせて、古代の肥後熊本の情勢や新倭国の成立について想像を膨らませて書き散らした壮絶ファンタジーが第2章。
阿蘇の名付け親は景行天皇。外輪山は草原で覆われ、カルデラの低地には人々の営みがあり、そこには健磐龍命(たけいわたつのみこと)のカルデラの蹴破り伝説や鯰との対決の物語が語り継がれている。地質学や考古学の知見を生かして草原の成り立ちや伝説の背景、さらには「火の国」のシン由来や日本神話の裏事情について空想をめぐらせた悶絶コメディが第3章。
人吉球磨地方には、鎌倉時代から近代まで命脈を保った相良家があるが、その700年の歴史には未だ解明されていないナゾが残っているのも事実。相良家の「正史」には、まるで天地開闢のような大王神社造立の物語があるが、果たしてその真意は?大王神社に祀られる相良家に謀反した平川氏とはいったい何者だったのか?。
敵対者でさえ神に祀るという観念の探究とともに、秋篠宮殿下の熊本県における事績もリンクさせながら、沈思黙考のすえ我々の「心」に辿り着き、涙で紡いだ感動のフィナーレが第4章なのである。
そういうワケで、本書は、絶対、面白い。地元新聞の書評でも取り上げられました!
「ぜひ、ご購入を!」