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「彷徨う鬼」
一匹の鬼が荒野を彷徨っているが、その足取りはあまりにも覚束ない。語る言葉も足りず、目的も果たせぬ無念のままに来世に向かうかれを、一人の男が見つめていた。
「雪山奇談 僧の血を欲した羅刹の話」
生ける菩薩とも呼ぶべき徳高き僧は、向こう見ずな村人を救う為に羅刹と取引をし、毎晩その血を差し出すが……
「愛別離苦 置いて行かれた者と取り戻した者の話」
僧侶ワンポ・ナムギャルを救った謎の男は彼の過去生における息子だった。父への執着に囚われた彼に主君帝釈天はある誘惑を仕掛ける。
「此岸の大火と激流の船頭」
不真面目な画僧見習いは、僧院長に対し他者には理解し得ない執着を抱いていた。だが僧院長の昔語りから、彼は否応なく本心そして過去と向き合うことになる。
「諸行無常 過ぎ去った二千数百年余と千変万化する世界」
天界の王帝釈天はある日聞こえるはずのない声を聞いた。頼られたからには応えるべく、彼は声の主との因縁のある羅刹の娘に目を付ける。
「羅刹仔」
悪業へと堕ちゆく男に連れられた少年僧は、動く死体騒動に巻き込まれる。渦巻く人々の悪意の中、彼の信仰に果たせることは何か。
「西方人の旅路と羅刹娘の帰還」
異教の男の旅路はここで終わる。そして、羅刹の娘はかつての父を物語の外へ連れ出すべく帰還する。
「シャンバラから来た男」
「羅刹仔」に登場する西洋人の、課せられた使命と故郷への想いについての短い手記。
「幻想アジア吸血鬼譚集 夕牲歌」
日本・中国・韓国・東南アジア・モンゴルを舞台にした吸血鬼小説。
時代背景は古代から現代まで。改稿前の「羅刹仔」はこちらでお読みいただけます。
「雪山奇談 僧の血を欲した羅刹の話」、「愛別離苦 置いて行かれた者と取り戻した者の話」、「此岸の大火と激流の船頭」はカクヨム掲載作品の再録です。
https://kakuyomu.jp/users/UR-30351ns-Ws/works