2023年〜2025年3月までに開催された様々な美術展から、有名無名問わず、見に行って良かった、興奮した、刺激を受けた、面白かった展覧会をピックアップして、じっくりと、その面白さの秘密を解き明かしてみた、作家論でも、芸術論でもない、美術展というライヴの面白さについての評論集です。月刊アートコレクターズに連載している展覧会レビューを中心に、美人画の見方、明治以前の日本での生活の中のアートの歴史に2本のコラムを収録。
シアスター・ゲイツやデイヴィッド・ホックニーといった幽冥アーティストから、星野有紀、山田桃子といった新進気鋭の作家、マンガ家の青木俊直まで、幅広く取り上げたのは、それぞれが美術の最前線にいるからこその面白さに溢れているから。アンチ・ミステリみたいに美術を楽しむ本です。
内容は以下。
01:少女の眼、私たちの目
「A girl philosophy / ある少女の哲学 安珠写真展」
02:作品に「テーマ」 は必要なのだろうか?
「Being - Mom is a Woman - 展」「マキエマキ写真展『一笑百媚』」
03:「作者が見た世界」としての具象表現
「INSECTS展」「デイヴィッド・ホックニー展」
04:美人画は作者の「欲望」なのか
「池永康晟対山本大貴『対決展本戦5×5』」
コラム01:美人画の見方~形への想像力
05:ヴァーチャルな空間としてのアート
「山田桃子 | ある星」「第二回 絵のある生活展」
06:神なき世界で踏みしめる「人類」のルーツ
「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」
07:マンガ家の「個展」は浮世絵師の逆襲か?
「青木俊直個展 『Aoki 64』」
08:寄せては返す「仕掛け」のエネルギー
「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ピュシスについて」
09:現実を侵食する「リアル」
「星野有紀展『ニケの涙腺』」
コラム02:アートのある生活史仮説
あとがき:「変」で「リアル」で「ふざけている」が鼎立する気持ちよさ
カラー図版も多数収録した、楽しい本。印象的な表紙は、星野有紀「Nothing to Say」を使わせていただきました。