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六月の幻想

  • 南1-2ホール | H-11〜12 (評論・研究|文化研究)
  • ろくがつのげんそう
  • 高塚しい
  • 書籍|A5
  • 82ページ
  • 1,800円
  • 2024/11/30(土)発行
  • 第三十回中原中也賞最終候補作品


    私は私自身のまま氷になって、そのまま溶けてこの青い六月の空気になる。泣きながら帰った私のこと、あなたはもう忘れていいんだ。

    離別を試みる過去は、どこまでもついて回るものである。捉えて離さない「幻想」に飲まれそうになりながら紡がれる言葉は、やがて「みらいのはなし」をし始める。

    よく分からないままに産まされた肉片を愛せますか?身手に芽生えさせられた母性とやらを総動員して、愛だって。そんな薄っぺらい、枯れ葉みたいな言葉を白々しく吐けたのなら、ああ、お前、すごいね。神にだってなれるさ!

    呪縛から解き放たれた詩人は留まるところを知らない。幻想に対して「マリアはいない」と言葉の切っ先を突き付ける彼女にとって、もはや六月は「亡霊」にすぎない。

    執着、諦念、決断、そして前進!これらの全てが、美化されるわけでも、悲劇化されるわけでもなく、実体を伴った言葉で綴られる、高塚しい渾身の処女詩集。

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