秋風に揺れる花
- 南1-2ホール | N-09〜10 (小説|ミステリー)
- あきかぜにゆれるはな
- 夜野篝
- 書籍|その他
- 100円
- 2022/11/1(火)発行
- 季節外れの雪の日に出会った少女との出来事が封筒に入っておりました。
〜本文抜粋〜
ふと、どこかからすすり泣く声がした。ひくひく、すんすん、だだっ広い田んぼ道のどこかから聞こえてくる。私は声の主を探して左へ右へ道を曲がった。いつもの散歩ルートを越えてもなお進み続けていると、いつの間にか山道が目の前に見えていた。平坦な道がかくんと折れ、登り坂になっている。しっかりと地面に根をおろした杉が道の横にぽつりぽつりと育っており、間を埋めるようにすすきが生えている。山道の一番手前に一本だけ金木犀があった。黄色い花から優しい秋の香りがする。泣き声が先程よりもはっきりと聞こえることに気付き、花から目線を下げた。
