今号のテーマは「た種 / Being Other Beings」である。
私たちは、建築やデザインの分野でも耳にすることの増えた”マルチスピーシーズ”というキーワードを取り上げ、今年のHUMARIZINEの制作を行った。私たちデザイナーやアーティスト、研究者は、自分以外のものたちに囲まれる環境の中で、どのように制作を紡いでいけるのかを多角的な視点から考えていった。こうして、人間・非人間問わず、た種(他種/多種)に焦点を当てていくことで、改めてHUMARIZINEのいう「人間」への気づきも得られるのではないだろうか。
今号はれいぽんと松岡大雅がスペイン・バルセロナにいることから、東京にいる佐野虎太郎と別にチームを構築し、2チーム制で執筆・編集を進めていくこととした。
バルセロナチームはれいぽん・松岡大雅を筆頭にバルセロナで出会った友人であるケニー、オグロー・シャルヌート、ジェシー・セグラが執筆者として参加し、各々が研究していることを中心に筆を進めた。
東京チームは佐野虎太郎を筆頭に、もともと親交のあった稲田玲奈、安永葉月が新たに加わりコンテンツ編成から執筆までを行った。今号のテーマに近い制作を行なっていた河野茉莉子も執筆に加わった。
チーム別に行なった編集はまさに「た種 / Being Other Beings」を具現化した関係性構築のプロセスであった。バルセロナチームは東京チームにとっての他種であるし、逆もまた然りである。そしてこうした両者の関係性の結果として生まれたHUMARIZINEは、私たちがつくっていきたい共同体の輪郭を現すような一冊となった。
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