「見るなのタブー」というテーマで書かれた創作アンソロジーです。
特集「見るなのタブー」
「見るなのタブー」とは、世界各地の神話・民話等に見られるモチーフの一つです。
構造は単純です。何かを見ることを禁止される。それにも拘わらずそれを見てしまうことによって、何が悲劇が起こる。多くの場合、禁止される代わりに何かを得るが、禁止を破ったことによって、それを失う。
(序文より)
淡中圏「見るなの学園」「この学校には十三の教室がありますが、決して十三番目の教室に入ってはいけませんよ」
淡中圏「まかぶる」 この町から出るとき、絶対に後ろを振り返らないでくれる。
月橋経緯「かく(さ)れる」「シカクサマの中はね、ぜったい見ちゃいけないよ?」
伊予夏樹「箱庭に人を入れる方法」「その本、夜中には開かない方が良いと思います……」
稲田一声(17+1)「はっちゃん帰路をゆく」
――振り返って後ろを見れば、二度と現世には戻れない。
弥田「【お詫び】今回、晴ノ宮時雨さんの原稿は諸事情により掲載見送りとなりました」
それが村の最奥にある「絶対に中を覗いてはいけない」と言われている民家です。
(表紙写真:斉藤羊)