こちらのアイテムは2019/5/6(月)開催・第二十八回文学フリマ東京にて入手できます。
くわしくは第二十八回文学フリマ東京公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

千の夜とオンボロバス

  • ウ-22 (ノンフィクション|旅行記)
  • せんのよるとおんぼろばす
  • 大友トリモチ
  • ペットボトルの水が底をついたとき、僕は目の前の風景に唖然とした。
     マズイことになった・・・・・・
     右手には百万ヘクタールの水田、左手にも百万ヘクタールの水田、どちらの地平線にも、ケーキのデコレーションみたいに森がモコモコと迫っている。足下の線路は、やはり地平線の辺りで黄色い霞の中に消えていた。
     線路を離れ、集落の目抜き通りで雑貨屋を探す。ペットボトルが積んである店を見つけると、「助かった!」とばかりに飛びこんだ。ところが、そこにあったのはすべて空のボトル。僕は「水をくれ」と声を上げた。
    「ノー。ここにはない。燃料屋だからな」
    「飲み物を売っているところはないんですか」
    「この村にはないな」
    「じゃあ、みんな何を飲んでいるんですか」
    「水だよ」
    「水はないんでしょう?」
    「水はある。あれだ」
     おじさんが僕の背後を指さした。
     僕はまたしても唖然としてしまった。もう、助からないんじゃないかという気がしてきた。
    (第一章「三千年前のアートを探して」より)

    いつもオンボロのバスに乗ってトコトコと旅していた。土煙をもうもうと浴びて、鼻毛をぼうぼうに生やしながら。でもこれは、そんなバス旅を礼賛する本ではない。はっきり言って、バスの描写なんかほとんどない。なんとなく、旅っぽい雰囲気だからこんなタイトルにしただけである。
    中身は、冒険風、闘病風、ロマンス風などの一話完結型旅行記で、どれも「○○風」だ。重たい話にならないので、気軽に読んでいただけます!

    目次紹介
    ※どの章から読んでもお楽しみいただけます。お好きな国からお出かけ下さい!

    1、三千年前のアートを探して(ネパール・タライ平野)
     ミティラー画という、家の外壁に伝統的に描かれるアートを探した旅の記録。アートというのは、見るのは一瞬、行くまでが大変なのである。本書で一番長い話。

    2、ラオスのオカマは二度ドアをノックする(ラオス・ヴィエンチャン)
     のんびりした国の、のんびりしたオカマ交遊録。本書で一番短い話。

    3、高山病が走る(中国・チベット自治区)
     本来、高山病になったら走ってはいけない。酸素を消費する運動なんかしてはいけない。そんな中、なぜ著者は走ったのか。何が彼をそうさせたのか・・・・・・

    4、月に騒ぐウサギ(タイ・チェンマイ)
     ナイトバザール(夜市)で出会った好みの女の子にドギマギする著者。これが次章ミャンマー編に続く、少し長めのプロローグになったのだった。

    5、バガンの恋の物語(ミャンマー・バガン)
     軍事政権下だろうが三大仏教遺跡の町に住んでいようが、恋の解決策は同じだ。自分のことを棚に上げて、著者はバガンに住む青年の恋の手助けをしようと目論むが・・・・・・

    6、後書きにかえて ~旅する言い訳~(バングラデシュ・ダッカ)
     スラム街に潜入した著者を待っていたのは、今後の旅について考えるきっかけになった、大いなる勘違い事件だった・・・・・・

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