浮舟書房書籍化計画『椿葉集』――椿女学園文芸部編纂
かつてロストアリスの世界に存在した浮舟書房という椿女学園の同窓生による文学結社の作品の中から『姉妹もの』と呼ばれる百合作品を十二本収録した傑作選。更にロスアリ登場の六条蓉子と尼迫凛々子による作品を収録。仔細は以下。●は『特定の趣味嗜好』、▲は『古典作品の翻案』、■は『妖怪を扱ったもの』、◆は『現役の椿女学園生徒が書いたもの』となります。
●飛べぬ雲雀の揚げ雲雀 竹子小子作
時戦時下、竹宮家長女雲雀子はある日同室の友人青崎涼美の元に雲雀の入った鳥籠を持って来て『揚げ雲雀をしよう』という。果たして二人の揚げ雲雀は成功するや。
■琴古の樹 星空満留作
戦前の雅楽部、春の演奏会萌蘖会にて出会った若草虫麿という男名前の女性と校友会長深草孔雀。二人は仲良く過ごしていくが、その内に琴古主という妖怪が現れたとの方が入り……。
▲乙女弱法師 鷹迫赤羽作
戦前に実の妹静子と生き別れた少女炎谷炎子は毎日聖椿教会で祈りを捧げていた。ある日、一人視覚障害を持つ少女が共に祈りたいと言って現われ、二人は一緒に祈ることになる。
●埋葬虫礼賛 蟲壺悲実作
戦後、弘文寮に住まう少女埋橋朽実子は恋人と噂される人があり、事実埋葬虫を通してやり取りしているが、しかしてその実態は如何に。
▲綾を打つもの 筆守達子作
高貴二番の花山寮に住まう酷薄なる美女鯉島綾子は己の美貌を以って様々な学生を恋に落として来た。今、高貴一番の冷泉寮のもの、小倉史子に綾鼓の難題を与えることにするが……。
■闇夜討魔伝 常闇來作
世界情勢が悪化する大戦前夜、華道部に属す花山の麗人小早川英美花の体調が悪くなり、彼女を慕う後輩朝風透子は心配して見舞いに行くと花山の周りに暗雲が立ちこめており……?
●一葉 高松空伯作
昭和に年号が変わって少し、浮名を流す少女高蝶胡乃はある庭園を巡る問題の中で純朴な後輩小花真々由と一緒に写真に写ることを願うようになる。
■懺悔室 濘涜濁泥作
学園に附属する聖椿教会の告解室に苅部百花という少女が駆けこみ、自分は肉欲の為にとんでもないことをした呪われた身だと嘆き、彼女の口から話された怪奇とは。
●風雨傘 独取鶏頭作
戦中期、甲斐の虎と呼ばれる武田家の娘晴子はこの頃隆興した合気道部に道場破りをしかけ少女董子と手合わせする。董子は相合傘を元にしたお呪いを二人でやろうとする。
▲椿羽衣伝説 風流仏碧
現代まで受け継がれている舞踊部の舞の由来となった、海道白花という捻くれ者が偶然に天女天道通子の沐浴に出くわし、あれやこれやと話し舞を得るまでを軽妙に書いた一作。
■或る古着 紐糸矯子作
亀山で一緒に住まう鷲塚慶子と来栖元子の二人はそろそろ姉妹関係になるかという話をし、祭に備えて一緒に着物を買いに行くことになる。その着物が怪奇を呼ぶことになる。
▲椿鬼神伝鳴神 人口夂卜作
占い師によって縁談を破談にされた少女鳴神稲弥。侍従の二人と共に復讐の施行を行う彼女の元に、〝ある人物〟の差し金で絶世の美女雲野絶間が現れて……?
◆一人指切 六条蓉子
幼稚舎から椿にいる純粋培養お嬢様、六条蓉子。初等部までは競う相手もいない秀才であったのに、『人間大の移動図書館』栗原寧々子には毎回負け通し――いつしか蓉子は、寧々子に恋をしていた。繊細な秀才の懊悩を存分に語った恋文文学。
◆貴女へ…… 尼迫凛々子作
尼迫凛々子。浮舟書房同人誌化計画の発起人であり、椿女学園高等部文芸部副部長である。彼女の書く恋文、惨めに塗れた痛ましい記憶を彼女は解き放つ。相手は一体誰なのか、彼女の恋はどうなるのか。
以上十四編を収録。更に蓉子と凛々子による座談会の前編後編を加えたボミューミーであり耽美的でもある総ての百合好きに捧げる一冊。更に驚きの挿絵が……?
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