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鬼娘の百物語 けらけら女 天井舐め 海女房 さとり 後神

  • E-36 (小説|ホラー・怪奇)→配置図(eventmesh)
  • おにむすめのひゃくものがたり けらけらおんな てんじょうなめ うみにょうぼう さとり うしろがみ
  • へちまとろん
  • 書籍|A5
  • 300円
  • 2018/01/21(日)発行
  • 妖怪をテーマにしたショートショート集の4冊目

    けらけら女 天井舐め 海女房 さとり 後神


    後神(一部抜粋)

     朝は降っていなかった雨が、放課後激しく降っていた。J美は周りを見渡して友達がいないか探したが、そもそもあまり友達のいないJ美には意味のないことだった。

    (困った、今日は塾の日なのに)

     塾は帰宅してすぐに家を出ないと開始時間に間に合わない。いつもはホームルームが終わってすぐに帰宅、自転車で塾に向かっていた。しかし雨が降っていると家からは徒歩で行かないといけない。もし今走って帰ってもずぶぬれになるだろうから、着替えをしたり鞄を拭いたりしていたら大幅な時間のロスだ。せめて傘をさして帰ればギリギリ開始時間に間に合うだろう。

     ふと傘立てを見るといつからあるか判らないような古い傘がたくさん置いてあった。J美は思わずその中から地味な傘を選んで学校を出た。

     こんな流行おくれの傘、きっと卒業生が置いていったものに違いない。先生たちもこんな日のために捨てずにおいてくれてるのだ。乾かして明日、元の場所に戻しておけば問題ない。J美は何度も頭の中で言い訳を繰り返しながら家路を急いだ。

     もう少しで家につく、そう思ったときに急に傘が重くなった。後ろに転びそうになり、とっさに踏みとどまった。傘を振るが何かがのっかた様子もない。首を傾げて歩き始める。今度は傘の先をつんつんと触られるような感覚が手に伝わってきた。振り返ったが誰も居ない。

    (なんだろう、気持ちが悪いな)

     そうしている間にも塾の時間が迫ってきていた。J美は小走りになって家に向かった。靴下に泥水がかかるが気にしてられない。早く家に帰らないと。

    「きゃあ!」

     J美は後ろに盛大に転んだ。傘を引っ張られたのだ。まるで大人が上から持ち上げるように強い力で。道路に座り込んで愕然としつつ振り返るが、J美の後ろにはやはり誰も居ない。その時背後に誰かが歩み寄る音が聞こえた。水を靴ではじくような音だ。振り返る。(続きは本誌で)


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