短編・掌編小説集の第4作で、11のストーリー(約12万文字)で構成されている。そのうち、分冊版の下巻(本作)には中編小説を中心に4作品を収録した。
書名の由来は、しあわせをテーマにした作品を集めたということと、制作しているのがそよ風文芸食堂であることから、料理(文芸作品)を詰め合わせたもの(ランチボックス)で『しあわせランチボックス』となった。
また、号数は『ランチボックス』に関連して『第四食』となっている。
第四食のキャッチコピーは『しあわせはすぐそばに……』。
『雲のワタアメと青空の飲み薬』
ユウくんは空に浮かぶ、ワタアメのような入道雲を見て「おいしそうだなぁ」と思いました。
――誰もが一度は思ったことがあるようなこと。それを童話にしました。
『ようこそ、涼風文具店へ ~お姉さんの魔法のノート~』
中学三年生の友永和花(ともながのどか)は、高校受験に向けて学校や塾で勉強の毎日。だが、なかなか結果が伴わず悩んでいた。
そんなある日、彼女は塾の帰りに商店街の片隅にある『涼風(すずかぜ)文具店』へ足を踏み入れる。店番をしていたのは柳橋真菜香(やなぎばしまなか)。どこか天然な雰囲気の漂う大学二年生だ。
和花はお茶に付き合ったお礼として真菜香から『魔法のノート』を受け取る。これを使って勉強すると成績がアップするのだという。
――はたして本当にその効果はあるのか? そして『魔法のノート』に隠された真実とは?
『いつの間にか女装男子』
柔道部に所属する新入部員の男子高校生・中野望(なかののぞみ)は、近所にあるファミレスの『女性限定 食べ放題サービス』を女装して利用していた。望はもともと容姿が中性的だったこともあり、バレないままでいる。
するとそれを知った柔道部のコワモテ主将・金剛鍛造(こんごうたんぞう)は練習後に望を呼び出し、問いただすのだが……。
ふたりとファミレスの変人店員たちが巻き起こす、おバカなドタバタコメディストーリー。
『まぼろしの美少女を追え』
高校生の達川陽斗(たつかわはると)は、幼馴染の長谷部有紀(はせべゆき)から『ある人物』の捜索を依頼される。それは昨年の文化祭で開催されたミスコンで、決勝まで進出しながら辞退した『まぼろしの美少女』の行方だった。有紀は勝ちを譲られたことに納得がいかず、今年こそその美少女と白黒付けたいのだという。
ただ、その少女は校内のどこを探しても見当たらない。名簿にも載っていない。そこで今年の文化祭の時なら現れるかもしれないと考え、有紀は暇をもてあましているであろう陽斗へ捜索を依頼したのだった。
こうしてしぶしぶ捜索を始める陽斗。果たして彼は『まぼろしの美少女』を見つけ出すことが出来るのだろうか?
・本文モノクロ80ページ/右開き/縦書き/2段組
・収録作品のジャンルは青春、友情、恋愛、童話、コメディなどです。
・ ホームページにて立ち読みが可能です。(※準備中です)