こちらのアイテムは2017/5/7(日)開催・第二十四回文学フリマ東京にて入手できます。
くわしくは第二十四回文学フリマ東京公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

改悪∞今昔物語

  • C-28 (小説|エンタメ・大衆小説)→配置図(eventmesh)
  • かいあく こんじゃくものがたり
  • 書籍|新書判
  • 180ページ
  • 0円
  • 2017/05/07(日)発行
  • ――後悔というと語弊がある。これはむしろ誤算と呼ぶべきだろう。護るべきモノを得て、つよくなった気がした。護るべき者がそばにいるだけで勇気が湧いた。ただ、それだけだった。それだけなのだと今、知った。ここにいるのは万能の巨漢などではなく、木偶の坊だ。大群を相手取り足止めできると思いあがった挙句、たいせつな者を喪った愚か者である――

    シスターコンプレックスな兄たちが巡る、愛と勇気とへたれの物語。

    ==このきょうだい、秘密しかない==


    前書き。
    妹ってぇのは兄があってはじめて存在できる偶像であって、それはファンがいてはじめて存在できるアイドルみてぇなもんでして、これはしかし逆もまたしかりであり、妹がいなけりゃ兄はただの一人っ子か、弟で、アイドルがいなけりゃファンは人生という名のくらがりに灯る光を一つ失うはめになりやしょう。光がありゃぁ影がある、ってぇ理屈と似ちゃぁいるが、しかし弟がいても兄は兄で、アイドルはスポンサーさえいりゃアイドル足り得る。そういう意味で、妹やファンってぇ存在は、代替可能な、替えのきく要素であると呼べるのは、哀しきかな何かのあとでしか存在できねぇものの宿命であるのかもわからねぇ。ちょいと哲学的なことを言っちまった。こよいは雨で、したたかで、なにかとてつもなくしんみりとしているのだが、これが酔いしれるってぇことなのかねぇ。酒のほうはからっきしなのだがよ。世にある兄ってぇもんがどういう存在かはさておき、じぶんよりも下の者にはでかい顔をしたい、ってぇ人間がすくないっつぅ現実は人類がここまで発展してこられた要因の最たるものではなかろうかと思うソレガシではある。弱きをくじき、弱きものであることを自覚させ、こき使い、そしてみずからは安寧と豊かさを享受する。だからこそ物語の、虚構の世界では、強きは弱きを救い、弱き者はいびつな境遇から脱することが適うわけで、ひるがえっては現実ではそんなことはなかなかどうして起こりえない。何も持たない男児が美少女から一方的にスキスキダイスキされるのも、なぞのチカラが覚醒して何かしらの大義名分を得てそのチカラをぞんぶんに振るえるのも、冴えないオナゴがひょんなことから色男に執着されだすなんてことですら、現実世界ではまずないと言っていい。もしあったならばそれには必ず裏があり、基本的にあなたは何かしらのカモにされているのかも、なんてカモカモ言ってみたはよいけれど、カモがネギしょってくる、なんて言い方もあるくらいなのだから、ひょっとしたらそこでちょいとしたネギをひょいと添えてみますれば、諺になって未来永劫語り継がれるカモとしてあなたは君臨できないこともないのかも、なんてカモカモ繰り返し言ってみる。とはいえ、世のなかには例外はつきものでありまして、卵で産まれてきながらに母乳で育つーなんてぇなんともはや珍妙奇天烈摩訶不思議、曖昧なカモもおりまして、その名もカモノハシというのでございますけれども、名前にカモが入っているだけでカモとは似ても似つかぬその容貌、否、クチバシくらいは似ていなくもないのかもと思ういっぽうで、足の付け根にはなぜだか毒爪が仕込まれておりまして、やはり似ても似つかぬその生態、なぜカモに拘らなければならないのかはとんとなぞでございまして、ここいらですこし脱線し、ことの本質を言い当てるほうに展開したほうが据わりはよさそうでござんして、世のなかの大部分のオタクさまは妹萌えでございまして、ではそこに兄萌えは皆無なのでござるかと問いただしてみますれば、わずかなりとも需要がないとは言いきれぬ、されどもあるとも言いきれぬ、なんとも微妙な可能性のみが京都、鴨川幽水荘の四畳半には広がっておりまして、いけどもいけども四畳半地獄、その迷宮を描いた珍作、四畳半神話体系なる傑作を生みだしたのは、森見登美彦なる傑物、否、怪物、否否、けったいな作家さまでありますが、かの作家さまから受けた影響は計り知れず、ソレガシの兄萌えの原点とも呼べる有頂天家族なる傑作を世に送りだしたその功績は未来永劫語り継がれるに値するカモネギなのでございます。なにがカモでどれがネギなのかはとんとはっきりしないのでございますけれども、計り知れぬ影響を受けておきながら、ではそれが拙作に受け継がれているのかと問われれば首を縦に振るのはむつかしい。共通点があるとすれば、有頂天家族の主人公にも、本作「改悪∞今昔物語」の主人公にも、兄と弟とそして妹分、色濃い気色のきょうだいがおりまして、そこから巻き起こる一筋縄ではいかぬ流れは、見るものを魅了し、手放さない、或いはその流れの激しさゆえに、見るものを限定しかねぬ破天荒ぶりがみてとれるのやもしれぬカモ。ともすれば、拙作の妹御はそんじょそこらの妹御とはひけをとらぬアネゴ肌ゆえ、世の多くの妹萌え同盟の方々からは非難轟々の雨あられを免れず、さりとて姉萌えとはいっせんを画す甘え上手でもありまして、なかなかどうしてそちら方面の方々からはお叱りの声をいただくこと必須でありましょうがしかし、そこはソレガシ、今作では十割兄萌えを推していくと臍を固めておりやして、てめぇらにゃいっさいの配慮はしねぇぞい、とのことでありまして、ここいらでひとつ、つよく啖呵をきらせていただきたい――「兄萌えよ集え! 妹萌えは黙れ!」 ご清聴、ありがとうごぜぇます。本編「改悪∞今昔物語」にゃ、カモは一匹も登場しやせんが、きょうだいの愛と偽りの物語、とくとご覧にいれやしょう。

ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になる出店者を記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。

同じ出店者のアイテムもどうぞ

万妖衆〜血編〜局部怪奇譚〜〜人造乙女は心臓を止め〜暗黒舞踏団〜〜踊り屋たちの囮か愛〜〜網膜の住人〜〜仮想世界に魔法をねがい〜〜外骨格の目〜〜伝統小芥子は電灯を消し〜〜私は性器が好きなだけ〜〜人工名器に凛と銘じ〜〜異世界の蛇口〜〜神殺し魔起き〜〜改悪∞異類婚姻譚改悪∞今昔物語改悪∞日本昔話群れなさぬ蟻群れなさぬ蟻〜〜前日譚〜〜ぼくの内部をじかになぞって。

「気になる!」集計データをもとに表示しています。